はじめに

私たちは、データサイエンスを武器にした基礎と臨床の架け橋になるような研究を目指しています。今はまだ十分に治せない病気を治すために、世界一流を目指す科学者を養成します。

医師・歯科医師でなくても出身学部は全く問いませんし、むしろチームに新しい知見をもたらしてくれる医歯学以外の領域を専攻してきた方を歓迎します。また、今は情報科学に自信がなくとも、みっちりと修行していただきます (笑) ので大丈夫です。先輩からのメッセージを読んでいただくと、充実した学生教育の一部を垣間見ることができます。

これまでの専攻や研究面での実績は問いません。必要なのは、私たちのラボ教育ポリシー研究ポリシーへの理解と熱意だけです。 高い志をもつ研究仲間と出会い、自由な発想で新しい世界を創造して、次世代の医療に夢と希望をあたえる大発見をしましょう!

学部生としてチームに参加を検討している方

学部生として私たちと一緒に挑戦してみたい方は、こちらの学部生ページをご覧ください。また、学部生を主な対象としたオンラインのバイオメディカルデータサイエンス勉強会もあります。

大学院生としてチームに参加を検討している方

私たちの研究室は「東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科」に所属します。しかし、出身学部は全く問いません。医学部・歯学部以外の方も入学可能ですし、理系だけでなく文系学部出身者の方も受け入れ実績があります。
  • 医学部・歯学部・薬学部等6年制の学部を卒業(予定)の方 → 博士課程(4年)
  • その他の4年制の学部を卒業(予定)の方 → 修士課程(2年) + 博士課程(4年)
  • その他の4年制の学部を卒業後、修士課程(2年、専攻は不問)修了 (予定) の方 → 博士課程(4年)
  • 上記以外の方→ 博士課程 (4年) ※博士課程出願に先立ち「出願資格審査」が必要になります。
私たちの研究室は2022年2月にスタートした若い研究室で、現在2023年4月入学の1期生 (博士課程)および2024年4月入学の2期生 (修士課程・博士課程) を募集しております。

大学院生活のポイント (クリックすると詳細が表示されます)

私たちの教育は、大学院合格直後から始まります。合格発表後、入学までの間に、自宅でできる我々のオリジナルプログラミング教材を人通り行うことで、入学する時点で、一般的なバイオインフォマティクスと人工知能プログラミングを身につけます。また、データサイエンスにおいて非常に重要な意味をもつ統計学についても、指定した本を自習することで、バイオ・医療系のデータサイエンス研究に必要な基礎力を身につけていただきます。

入学後、最初の1ヶ月はオリエンテーションを行い、データサイエンスと生命科学実験の両方の初歩を学んでいただきますし、入学後の1年間は集中的なゼミを用意しています。

当然ながらオリエンテーション以外にもさまざまな成長の機会があります。定期的な進捗報告ミーティングを通じて思考力・実践力を養います。勉強については、自分自身でテーマに関連する論文を読むのみならず、医療や生命科学・情報学・数理科学といった広い関連領域を論文抄読会・技術勉強会で学びます。さらに我々が提供する1万ページにも及ぶ自主学習甩資料、それに最新論文やリソースが毎日シェアされるslackがあります。

学生として「教えてもらう」という立場だけではなく、ラボポリシーにも記載の通り自ら主体的に学びそれをシェアすることが求められます。情報の流れの中心である東京にいることで数多くの勉強の機会もありますが、積極的に発言する訓練をすることで国際スタンダードを養います

少なくとも2年に1本の学術論文を筆頭著者として発表し、さらに他のプロジェクトに参加することで共著論文を増やしつつ共同研究のやり方を学びます。

博士号をとるまでには、研究の立案から論文執筆までの全てを1人でも行える自立した研究者に育てます

バイオ系に特化した国内最高レベルのスパコンSHIROKANEの最上級モードを使用できます。年間ライセンス料がアカデミア割引でも1000万円近くかかるため、他のラボではほとんどアクセスできる研究者はいません。GPUをたくさん使ったAIのトレーニングなども可能です。

バックアップとして、世界最高演算速度を誇るスパコン富岳とも提携しており、バイオインフォマティクス・クリニカルインフォマティクスから、数理モデリング・深層学習まで、幅広い用途に使えます。

さらに、有償の数値計算処理システムであるMATLABも導入しており、現在は試験的に使用している量子コンピューターを将来的には本格運用させることも視野に入れています。

このように、我々は国内最高レベルの計算環境を保持しています。最初から恵まれた計算環境を使ってトレーニングすることで、データ科学の習得も格段に早まります。

もちろん最初は相談の上で我々がテーマを設定しますが、研究者を目指す上で大学院時代にテーマの設定から携わったマイプロジェクトをやり切る経験は非常に重要と考えています。

半年ほど経験した時点での自分の興味を清水らとディスカッションし大枠を決め、先行研究をたくさん調べて現状の課題を浮き彫りにし、科研費の申請書形式でマイプロジェクトを清水はじめスタッフに自ら提案していただきます。

もちろん初めて書いた申請書がそのまま採択されることなどありえません。建設的なフィードバックをたくさん受け、数ヶ月ほどかけてマイプロジェクトと向き合って洗練させ、教員のGOサインが出てスタートです

自分主体で先行研究をいろいろ調べ、批判的に吟味してそれらの課題を浮き彫りにし、自分の頭でアプローチを考え、将来的に必要になる申請書作成に速いうちから取り組み、それを分かってもらえるようにプレゼンするという研究開始前に必要な能力を全て養うことができます。

あわよくば複数の論文になる可能性があるだけでなく、複数のテーマを持つことで精神的に安定するという効果もあります。

分子生物学会 (12月) では研究成果を発表できるチャンスがある他、バイオインフォマティクス学会 (9月) もしくはメディカルAI学会 (6月) の発表もアシストします。

また、在学中の日本学術振興会特別研究員 (DC) 獲得、および博士号取得後の海外留学に必要なフェローシップ獲得といった申請書の指導をするのみならず、過去の受賞者の申請書等もラボメンバー用ページでシェアしています。清水自身も大学院時代はDC1を獲得し、武田科学振興財団他7財団からフェローシップの内定通知をいただきました 。経験者だからこその目線も併せ持っています。

また、希望者には早期から海外留学に向けた英語学習法のアドバイス等も可能です。自身の希望に応じた多様なキャリア形成をサポートします。

博士号取得に向けた大事な修行期間である大学院時代に研究に専念できるよう、年収240万円以下の博士課程学生は月16万円 (4年間、総額768万円) または月20万円 (2-4年生の3年間、総額720万円) の経済支援を受けられる可能性があります 。また、その他給付型奨学金の情報もラボ内ページで随時シェアしています。

また、当分野では大学院生を対象にした独自の生活費援助を用意しており、規定を満たす方は積極的にTA/RA等として採用しています。学費の足しになりますし、何よりTA/RA採用は職歴になるので履歴書の観点からも有利になります。

清水研で活躍できる大学院生 (クリックすると詳細が表示されます)

【研究のタイプ】特定の生命医学対象(例:癌ゲノム、メタゲノム、臨床データ)を設定し、世界中に溢れている生命医学データを解析し新しい生命医科学の発見を行うことを目指す。技術開発が目的ではないので、使えるツールなどは積極的に利用する(ただし不足している技術は開発を行うこともある)。

【向いている人材】生命科学(特に分子生物学)が大好き、『ワクワク』した気持ちになれる人

【入学後に必要なこと】最新の生命科学の論文(Nature,  Science,  Cellなど)をどんどん読む。Linux上で生命科学のデータ解析を行うためのやり方(特にPythonを使ったプログラム) を学習。情報技術・アルゴリズムをまずは広く浅く理解するが、自分が利用するツールで使われているアルゴリズムの特性は理解する

【研究のタイプ】生命医学データを効率的に解析するための基盤技術を開発し、技術の立場から生命科学にブレイクスルーをおこすことを目指す。情報科学分野(AI・機械学習・深層学習・データマイニング等)の最新動向をキャッチし生命科学分野に応用をする

【向いている人材】プログラミング、数学、物理が得意。論文で発表されているアルゴリズムや方法を実装するのが好きな人。

【入学後に必要なこと】最新の情報科学、特に主要な国際学会(NeurIPS,  ICMLなど) の研究をフォローする。アルゴリズムを実装するために必要なプログラミング言語の能力をつける。バイオ系はまずは広く浅く身につける

【研究のタイプ (間)】必ずしも上の2つにきれいに分類できるわけではないので、その間の立ち位置で研究を行うことも可能

【研究のタイプ (両方)】両方をできる人材は現状極めて少ないため,研究・企業から引く手あまたです。

清水研 大学院入学希望者 受け入れ基準

スペースの関係上、全ての入学希望者を受け入れることはできません。私たちと一緒に研究をしたい方は、大前提として出願資格 (修士課程は4年制の学部を卒業予定の方、博士課程は修士号を取得予定の方および医学部・歯学部等6年制の学部を卒業予定の方) と本学の大学院入試に合格できるだけの一定の基礎学力を持ち、その上で下記必須7項目と歓迎1項目の合わせて8項目を満たす必要があります。

【必須条件 (7つ全て)】
  1. 広い意味の「データサイエンスで未来の医療を創る」ことに強い興味関心があり、将来的に博士号取得・ポスドク等を経て学術界でのPrincipal Investigator (教授・研究部長等)を本気で目指している方
  2. 英語の研究論文を読み書きするトレーニングを始める前段階としての基礎的な語学力がある方 (実際に受験している必要はありませんが、目安としてTOEIC 700相当程度)
  3. 清水研の教育ポリシー研究ポリシーに賛同いただける方
  4. 入学までの間、統計検定準1級統計検定 データサイエンスエキスパート、または応用情報処理技術者 いずれか取得に向けてデータ科学関連領域を継続して自習する意欲のある方。また入学後も最新の論文や集中ゼミなどから自ら貪欲に学び続け、また学んだことを仲間同士でシェアしさらに高め合っていけるような向上心と協調性のある方
  5. 自ら主体的に考え挑戦できる卓越した思考力・行動力のある方
  6. 少なくとも1年に1回の学会発表をする意気込みがある方
  7. 少なくとも2年に1報の論文発表をする意気込みがある方
【歓迎条件 (9項目中1つ以上) 】
  • 医師・歯科医師・薬剤師等の医療系専門職の知識・経験をお持ちの方
  • 分子生物学領域における学会発表・論文発表経験をお持ちの方
  • 細菌学・システム生物学・合成生物学のいずれかにおける4ヶ月以上の実験経験をお持ちの方
  • NeurIPS / ICML / AAAI / ICLRなどの機械学習関連の国際会議の発表経験をお持ちの方
  • 数学・物理・化学のいずれかを学部生時代に専攻していた方
  • 人工知能(深層学習,強化学習等)、機械学習、データマイニングの活用経験(対象分野は問いません)をお持ちの方
  • Linux OSを使ったデータ解析・プログラム開発経験をお持ちの方
  • バイオインフォマティクスに関する基礎的な知識をお持ちの方
  • 習い事や部活の大会・コンテスト等のトップを目指して猛烈に努力した経験がある方
※ 留学生の方は研究討論をする上で必要な日本語または英語のどちらかの力があることを示す必要があります。ある程度深いディスカッションをするためには日本語能力検定N1またはTOEFL-iBT 80 (TOEFL-ITP 600, TOEIC 900) が最低ラインです。面談の申込みをメールで行う際に、日本語または英語の語学力が分かる正式な書類を添付してください。

Q&Aおよび面談について

大学院出願の前に、清水との面談が必要です。面談はいつでも受け付けておりますし、(もし緊急事態宣言中であれば) ZOOM等でも可能です。もちろん面談したからといって必ずしも入学する必要はありません。是非お気軽にメールで面談日時を予約して下さい。アドレスは清水のページに書かれています。もし可能でしたら大学院に関するお問い合わせについてのお願いもお読みになった上でご連絡をいただけると幸いです。

よくいただくご質問にはあらかじめQ&A形式で回答を用意しておりますが、説明不足で分からないとか、ここにはない質問があるといった場合も、遠慮なくお尋ねください。

※ 清水は学部生時代にはいろいろな経験をするのが大事であり、学部卒業後は自分の希望するキャリアパスに合う下積みを集中的に行う必要があると考えています。以下のQ&Aは全て大学院希望者に対するものであり、学部生の方には当てはまりません。

現在の医学では原因が分かっていない病気、完治できない病気がたくさんあります。当分野では未来の医療の創造を目指した研究活動を行っており、その研究対象は大きく分けると2種類あります。

1つ目は、がんや感染症、あるいは生活習慣病や難病といった病気の原因を調べたり、患者さんのより良い診断・治療を目指した研究をデータサイエンスを中核に据えて展開しています (クリニカルインフォマティクスやAI創薬)。いわゆるトランスレーショナル・リサーチと呼ばれる応用領域が近いと思います。逆に疾患が全く関わらない実験系かつ純粋な基礎学問としてのライフサイエンスは重要で面白い研究領域だとは思いますが、当教室においてはそれほど重きをおいていません (共同研究で他のグループのお手伝いとして基礎的なライフサイエンス研究をすることはあります)。基礎生命科学領域の実験について修行をしたい方は、医師のバックグランドを持つ清水や医療に特化した医科歯科大学よりも優れた研究環境が他にたくさんあると思います。

2つ目は、長期的な臨床応用に資するテクノロジー開発です。例えばデータサイエンスのテクノロジー、つまり新しいコンピューター解析手法の開発であったり (これはバイオインフォマティクスシステム生物学と呼ばれる領域と近いです)、データ科学に基づくバイオテクノロジーの開発 (合成生物学と呼ばれる領域にも近いです) であったりします。

一昔前の研究では、研究者が経験やひらめき等に基づいて仮説を形成し実験で確かめていました。

時代は変わり、昨今はさまざまな情報を容易に網羅的に取得できるようになりました。このビッグデータから何かを見出すには統計・数理的方法、情報学的手法が不可欠であり、これら広義のデータサイエンスを駆使して仮説形成を行う時代になりました。この仮説を生命科学実験で検証し、次のデータ取得のネタを得るのです。

このように「大規模データ取得」「データサイエンスによる仮説形成」「検証実験」の3つからなるサイクルを回し続けることが未来の医療を創るようなインパクトのある研究を行う上で非常に大事であり、清水はこれを「三位一体研究」と呼んでいます。

もちろん、これだけ学問領域が多様化している現代ではこれら全てに精通することはできません。当分野ではデータサイエンスを主分野とし、その他の2つについても一定の知識・技術を持ち、専門的なことはこれら2分野を専門に行なっている研究チームと共同研究をすることで、グループとして三位一体研究の推進を目指しています

大学院生には、データサイエンスは極めた上で、他の2分野についても理解のある稀有な人材になってほしいと願っています。

 

私でも大丈夫かという問い合わせは最も多い質問です。これに対する答えはいつも同じで、「全て自分の努力次第」です。

1万時間の法則は聞いたことありますね?何事もプロになるには1万時間の下積みが必要だということです。大学院時代は下積み期間ですので、1日10時間研究+家で2時間の勉強をしたとしましょう。週あたり5.5日、そして年50週その生活をすれば、年間で3300時間を確保できます。大学院博士課程は4年制ですし成果を出せば3年で卒業できますが、このペースで努力を継続すれば博士をとるまでには1万時間の下積みをすることになります。ここまでやって論文をいくつか発表していれば次の研究ポストも遠からず見つかるでしょう。人生100年時代、大学院生の数年間は他のことを多少犠牲にしてでも全力投球すれば長い目で見れば大きなリターンが見込めます。それだけの覚悟があるなら大丈夫です。

反対に、9時5時で土日祝はお休み、という学部生の延長のような生ぬるい考えの場合はどうなるでしょうか? 昼食休憩を1時間として1日7時間、土日祝は年間120日あるので年間では7x (365-120) = 1715時間ですね。1万時間到達まで6年かかります。修士から入学して博士4年まで合わせればギリギリ学生の間に1万時間に到達しますが、はっきりいって6年もかけて1万時間しか研究に時間を割けないなら研究職に進むのはまず無理です。

当分野では本気で研究に打ち込みたいという学生さんはバックグラウンドによらず全力でサポートをします。ただ、もっと優先順位が高いことが他にある学生さんは当分野では責任をもって博士号をもつプロ研究者のスタート地点にできないので受け入れできません。あまり努力しなくても学位をとれるような素晴らしいラボを他で探してください。

集中的な自己投資はいつの時代も非常に重要です。

2番目に多い質問は、どれくらいの事前知識が必要かというものです。

これは持論なのですが、「希少価値の高い人」になることが極めて重要です。言い換えれば、代わりが効く人になってはいけません。

希少価値の高い人というのは、例えばあることを極めていて、1000人に1人くらいのレベルにいるというのがあるでしょう。しかし1000人に1人のレベルになるのはどんな分野でも大変です。それよりも10人に1人のレベルでいいから、それを3つの分野で達成すると、あわせ技で1000人に1人の希少価値の高い人になれます。スキルは掛け算なのです。

私たちのグループはまさに異分野融合型の研究をしていますので、お願いしたいのは今やっていることに全力で取り組んでほしいということです。それがスキルの1つとしてアピールできますし、それを1つの強みとした研究を展開することも将来的にできるでしょう。

それにプラスして、10月までは次のことを勉強しておくといいでしょう。

【生命科学・医学系の方】

【数理・情報系の方】

【AI創薬研究をしたい方】

  • ケモインフォマティクスの基礎
  • 量子化学の基礎

 

また、11月からは合格者を対象とした勉強会を行いますし、たくさんの教材をリソースとして提供します。それらを4月の入学までにしっかり勉強しておくと、良いスタートダッシュを切れそうです。

研究室によっては夏休みの1週間とかインターンとして通って先生と間近で接することができる機会を提供しているところもありますが、当研究室は立ち上がったばかりの小さなグループですので今はマンパワーが足りず、そのような制度を準備できておりません。

しかしながら、オンラインの勉強会であるBioMedical Data Science Clubにゲストとしてご参加いただくことで、普段の清水の教育の一部を垣間見ることはできると思います。そしてその教育の結果、みなさんとほとんど同い年の人たちがいかにレベルの高い論文を読み発表をして、そして言われなくても熱心に討論しているか、初めて参加される方は教育水準の高さにみな驚かれます

また、清水は学部生数名の研究指導をオンラインで行っており、そのうちの何名かは2022年度中に筆頭著者として英語学術論文を発表予定です。現在はまだ公開できませんが、近日中に投稿します。学部生で研究成果を論文発表することがどれだけ難しいことかよくお分かりだと思いますが、これも清水の教育の効果です (自画自賛かもしれませんが)。

勉強会参加メンバーも研究中の学部生さんも、決して最初からエリートだったわけではありません。みな研究は初心者からのスタートでした。もしかしたら、これを読んでいるあなたが次の主役かもしれません。

大学院時代は下積みであり、熱意を持って「本気」で取り組まない限り高い目標を達成したいという自己実現は無理でしょう。

ですので、あえて「本気で」の意味を答えるなら、「熱意だけは誰にも負けない」という揺るぎない志を持って、ということかもしれません。「熱意」は行動に現れます。大学院生の場合は研究活動なり自分に足りないものを自主的に勉強する、仲間と討論するというのが行動です。すでにある程度の経験があるなら、あるいはそうでなくても天賦の才能があるなら、短い時間でも成果を出すことができるでしょう。しかし研究論文業績も才能もないのなら、それを努力でカバーしなければなりません。古い考えなのかもしれませんし、「働き方改革」の真逆ですが、下積み期間でまだ何もないからこそ「熱意だけは誰にも負けない」と言えないといけないのです。

大学院生時代こそ時間を忘れて研究に没頭することが不可欠です。多くのサラリーマンのような「本当は取り組みたくない、人から与えられた&ルーチンの仕事」ではなく、大学院は「クリエイティブな自己実現のために自分で選んだ絶対取り組みたいこと」に専念できる時間ですので労働時間という概念は全く当てはまらないのですが、あえて時間でいえば下記のようになるでしょう。

1万時間の法則は聞いたことありますね?何事もプロになるには1万時間の下積みが必要だということです。週40時間だとすると年間で2000時間、1万時間に到達するのに5年もかかってしまいます。大学院在籍期間中に達成するのは無理です。少し頑張って週60時間なら、1万時間まで3年少しで到達できます。実績はプロ水準になってから急速に増えるので、これなら残った在籍期間で実績を増やすことができるでしょう。清水の大学院生時代はサラリーマンの2倍の週80時間超取り組んでいました (1日11時間研究+2時間自宅勉強 x 週6)。80時間/週ならわずか2年ちょっとで1万時間に到達可能です。数年間も「プロ」として活躍できる時間が残るわけですので、他の追随を許さない実績を積み上げることができます。清水が大学院時代に在籍した中山研はこれまで100名を超える卒業生がおり、16名の教授が誕生していますが、清水はその中で大学院入学後最も短い期間で独立しています。大学院時代に文字通りラボに入り浸って自己投資をし、生命科学実験も九大初のメディカルAIもその他共同研究も、多数のプロジェクトに携わったことが、30代半ばで独立する原動力になったのは明らかです。ただしこの場合でも日曜日にはお休みをとっていました。週7で研究に打ち込むのは長続きしませんので1日は完全に休み、残りの週6日で朝から晩まで自己投資というのが必要です。

自主性を非常に重視していますので、週〜時間というノルマのようなものは全くありません。大学院は数年にわたるマラソンのようなもの、頑張りすぎると体を壊してしまいがちですが、そういった時には人に迷惑をかけない範囲で思い切って休むことも時には必要でしょう。

必須項目の5番目には、自主的に考え行動できる方というのが入っています。自分で計画をたて、数年間を当研究室で過ごして次のステージへ羽ばたいてください。

若いので柔軟に吸収でき体力も十分ある20代前半からの10年間に、特に今後のキャリアの基礎となるいちばん大事な大学院生時代に、たくさんの時間を自分に投資することで大きな自己成長、そしてその先の自己実現につながります

残りの人生で、今が一番若いのです。今やらずして、いつやるのですか? 

2023年4月入学の第1期生については、修士・博士合わせて10名の方が研究室の見学にいらっしゃって、そのうち6名が第一志望として大学院試験に出願中です。

2024年4月入学の第2期生については、2022年7月26日に募集を開始して時間がそれほど経っていないのですが、現在修士課程への入学を検討している方が1名見学にいらっしゃいました。引き続きお待ちしています。

生活パターンは本人の自主性に任せていますが、目安としては概ねこのようなところかと思います。

  • 平日は午前9時半頃までにラボへ (在宅研究も可能ですが極力来ることをオススメします)
  • 午後6時半以降、順次帰宅。研究次第で帰りが遅くなる夜遅くなる日もあるでしょうが、心身の健康維持のため、清水研では21時以降にラボにとどまることができません。必要に応じて朝早く来たりして対応してください。夜は無理しないのが一番です。
  • これ以外に、早朝もしくは帰宅後の時間に自宅で数時間勉強 (特に1年生は清水研のゼミがあるため研究室以外の時間はとりわけ勉強が必要です)
  • 土曜日の午前中は研究活動に従事。午後は各自の考え・都合におまかせです。
  • 日曜日は休養。清水研では実験に必要な場合・時間帯を除いて日曜日にラボに来ることはできません。研究はマラソンのようなもの、走りっぱなしでは疲れてしまいます。週1はラボに来ない日をつくり、残りの週6で全力で打ち込んでください。
  • 医師・歯科医師等の外勤は、事前に大学に届け出を出した上で、週1程度行うことは可能です。平日に外勤に行くならその分土曜日は朝から晩までいるなど、日程はフレキシブルです。
  • 夏季休暇5日、年末年始6日は自己裁量でお休みをとれます。祝日も自己裁量ですが、カレンダー通り忠実に休むというのは科学が他国の研究者との競争でもある以上難しいと思います。同じプロジェクトを他の研究者に先に発表されてしまったら全てが水の泡ですので。日本の祝日数はアメリカの2倍あることを考えれば、GW等の長期休暇は「半分程度」というのが国際標準なのではないかと思います。自己裁量でいいですが、休みを全く取らないのは認めません

これはあくまで一種の目安です。自己実現へのステップとなる1万時間の自己投資に向け、各自で時間を調整してください。

休みについていろいろ聞いてくる学生さんもいますが、1つ上の「どのような生活になりますか」にちゃんと記載していますのでそちらをお読みください。

はっきりいって「プライベート重視」の生活と「自己実現のためのスパルタトレーニング」は両立しません。研究者等、クリエイティブが要求される世界は競争社会です。下積み時代はどの世界でも休みはなんかほぼないと思っておいた方がいいでしょう。それは清水研だけじゃなくどこのラボに行くにせよ同じです。実際にはさすがに毎日走りっぱなしというのはよくないので、週に1日はお休みをとってもらいますが、残りの日は全力投球です。

これまでに何らかのスポーツに打ち込んだことはありますか? なければ音楽等の文化的な活動でもいいです。アマチュア時代に土日祝に全く練習しなかったのに、そのスポーツのプロ選手になった人はいますか?研究者も同じです。平日9時5時のみ活動し、平日の夕方以降や土日祝に電気が消えているラボの卒業生をよく調べてください 。いったいどれくらいの人がプロの研究者として生き残っていますか?

もちろんプライベートを重視したい、修士1年後期から2年生での就活時間を十分に確保したい、というのも大事な価値観であり、その考え方を否定するつもりは毛頭ありません。そのような方にぴったりの「素晴らしいラボ」も都内だけでも多数ありますから、よそをいろいろご覧になってください。

1週間のスケジュールについてはこちらのページをご覧ください。なお、曜日・時間等はさまざまな事情で変更になる可能性があります。詳細は入学時に連絡します。

医科歯科大学は指定国立大学法人であり国内トップ10の研究大学の1つとして文科省に指定されております。そのため、本学の大学院は研究者になるための武者修行期間と私は捉えておりますので、教員は進捗を聞いてさまざまな助言をするものの、そのテーマに主体的に取り組むのは学生さん本人です。
 
アカデミア研究者を目指したいという方には最初からかなりの裁量を持って研究活動ができるとおすすめできますが、反対に手取り足取り型の細やかな指導を期待している方には本学の大学院は合わないと思います。
 
ただ大学院生の勉強会はみっちりします1年で研究者としての即戦力にすることを目指しています。何も理論を知らなくてもなんちゃって機械学習は簡単にできる時代ですので、数理を知らないエセデータサイエンスティストが急増していますが、うちではそれはNGです。大学院1年生は私と毎日のようにゼミをします。私が教えるわけではなく、大学院生が主体的に教え合う会です。一応私が予習のポイントのようなメモは用意していますが、特にバイオ系の人にとって数理はかなりヘビーだと思いますし、私のメモがあっても特に最初の1年は土日を含め自由時間は全くとれないと言っていいほど勉強が必要です。ゼミについてはこちらもご覧ください。また研究室には250冊の本を常備しておりメンバーは自由に閲覧できるようになっていますし、その他webリソースも取り揃えています。
 
研究は何もないところから生まれるわけではなく、どんな研究も既存の研究の上に行われています。そのため研究は基礎知識 (数理含む) がないと全くできません。清水研の指導方針は、知識についてはみっちりと身につける手助けをしますが、その知識を前提とした研究活動については (研究者になるためには試行錯誤が不可欠と考えているので) 学生が自ら主体的に取り組み教員は定例ミーティングでアドバイスや助言をするに留めるという方針をとっています。
 
大学院はプロ研究者養成機関です。もちろん教員がお膳立てをする「魚を与える」方式の方が私達としても楽なのですが、自分で魚を釣れないと卒業してからプロ研究者として生き残れません知識やその他の道具は用意するから、学生さんには「魚の釣り方」を苦労しつつも主体的に身につけてもらう、それがアカデミア研究者としてやっていくための最良の教育だと考えています。
 

ラボに「合わなそうな」人物像を聞いてくる学生さんもいます。せっかくなのでここにも残しておきます。

勉強するのが目的の方

成績優秀な学生さんにしばしば見られることですが、「勉強」そのものがゴールの学生さんには当研究室は向かないかもしれません。もっと踏み込むと研究自体が向きません。高校まで、あるいは大学までで問われていたのは教科書を読んで理解し、答えがあると分かっている問題の正しい答えを導く力でした。しかし研究というのはそもそも答えがあるかも分かりませんし、教科書を読むのではなく教科書に1行ずつつけ加える側であることを理解しなければいけません。試験で求められるような頭の良さとは大きく異なる世界です。クリエイティブな世界の楽しさでもあり厳しさでもある点はそこにあります。勉強は大事ですが、そこがゴールではいけません。「巨人の上に立つ」という言葉もありますが、勉強してたくさんの知識を身につけるのは、未来の医療を創るためであってそれがゴールではないのです。

承認要求が強い方

学校の勉強でもクラブ活動でも、よい成績を出して親や先生に褒められたことがあるかもしれません。小さい頃の話なら微笑ましいエピソードですが、驚くべきことに20才になってもそれが行動の大きな源になっている人がいます。例えば医学部医学科に入学してくる学生は医師・医学研究者を強く志しているのかと思いきや、単に「難関の入試を突破すれば一目おかれるから」というような承認要求のためだけに志望する者もいます。

「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれば只の人」ともいいます。大人になって褒められることはそうそうありません。ましてや研究では成果が出るまでに時間がかかりますし、国際的な競争があります。承認要求の強い方には、あまり研究をオススメできません。

メンタルに弱い方

令和の時代だからなのか、打たれ弱い人も散見されます。

清水は学部生の頃、指導教官に「3割打てれば一流バッター」と言われました。プロ野球と同じで、プロ研究者も自分の仮説が3割も当たればかなりすごいということです。ましてや学生の立場では3割あたることはまずないでしょう。つまり研究をするということは、ネガティブデータの山と向き合うことでもあります。いちいちへこたれず、ネガティブデータの中からヒントになる兆候を見つけ出すひたむきさが研究には必要です。

また、これまで書いてきた通り清水はプロとして恥ずかしくない研究者を育てることを目指しています。そのため、プロとして恥ずかしいレベルの発表をした学生には1年生であってもいろいろな指導を行います。時に厳しく感じることもあるでしょうし、プライドが高い学生さんであれば自尊心が傷つけられたと思うこともあるでしょう。私だってできれば厳しい意見を直接言いたくはありません。でも私が言わないと他の先生が指摘してくれることはまずありませんし、誰にも直してもらえないまま卒業したら「低レベルな研究者」だと心の中で笑われ誰にも相手にしてもらえません。小さい頃は親や学校の先生などに愛情を持って怒ってもらったから今があるわけですよね。サイエンスに関してだけですが、その重責は数年間私が担当することになります。『愛の反対は憎しみではない 。無関心だ』というのはマザー・テレサの言葉ですが、1年目であっても大学院生である以上は博士号取得者の基準に満たない点については無関心とは対極の指導をします。まっとうな建設的批判を真摯に受け止めて自分を高めていける謙虚さと向上心が必要です。

全ての細かな手順を指示してほしい方

清水はある意味で「研究は全て1st authorの責任」と考えています。教育はしますが、個々の点について細かい指示出しはしません。仮に全てお膳立てされた研究で成果を出しても、自分一人では何もできない人間になってしまいます。もちろん卒業してから研究者としてやっていくのは不可能です。別のところにも書いていますが「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えたい」のです。ですので、料理番組のように全ての材料が用意されていて言われた手順通り混ぜるだけ、みたいなものをお望みの方は、ぜひ他のラボをお探しください。

広々としたオシャレなスペースで研究に取り組みたい方

広くてオシャレな空間は素敵ですが、それが優先事項になっている方は当教室は見学に来るだけ時間の無駄です。東京医科歯科大学はもともとスペースが十分広いとは言えませんが、当研究室はその中でも新しい教室であるため、現在使用できるスペースには限りがあります。ありがたいことにたくさんの方が見学に来ているため、広々とした空間をご提供することはできません。イメージですが、試験前の大学図書館の自習室のような感じでしょうか? とても広くてオシャレではありませんが、みんな目標に向かって黙々と頑張っているイメージが湧くでしょうか?

優秀で多様なバックグランドの同世代の仲間と文字通り机を並べて研究をするため、距離が非常に近いというメリットはありますが、逆にそういう環境で研究に取り組める方でないと厳しいと思います。

緊急事態宣言が出たときなど、一時期Zoom面談も可にしていた時期はありますが、政府からの行動規制がないのであれば原則としてZoom面談は応じられません。恐れ入りますが東京までお越しください

もしかしたら誤解されているかもしれませんが、自分の意思で選べるのは大学院入学が最後であり、大学院生の奨学金やポスドクや大学教員人事などアカデミアのキャリアでは常に選ばれる側になります。自分の意志だけで選べる最後の選択だからこそ、後悔のないようぜひ直接いらしていただいて良いところも悪いところも見学していただければと考えております。Zoom面談は良くも悪くもお手軽すぎてそういう大事な決定をするには不向きです。

清水自身も大学院の見学は東京・大阪・福岡と3ヶ所させていただいたのですが、当時住んでいた岩手県から毎回交通費と宿泊費、それに時間をかけて現地に行っていました。

大学院を決める際には、当教室も他の教室も、ぜひご自分の足で訪れていろいろ感じてほしいと願っています。

学生さんの中には清水の都合を気にして相対的に忙しくない時期を教えて欲しいという方もいます。

お心遣いありがとうございます。

しかしながら学生さんとの面談は私にとってかなり優先度の高いことの1つですので、時期についてご心配いただく必要は全くありません。ネットには教授は〇〇月はとても忙しいのでメールを出してはいけないみたいなことを指南する記事もあるようですが、少なくとも清水研に関しては全く当てはまりません。年中受け付けていますので興味のある方はお気軽にどうぞ。

もちろんです。むしろ研究室見学に行ったのにトップとだけしか面談が組まれていないラボは何か聞かれては困ることがあるのかもしれません、そういうところは避けるのをおすすめします (詳しくはこちら)。

当分野では大学院生とも1:1で話をする時間を設けているので、先輩になるかもしれない年が近い学生にぜひ気になることをいろいろ聞いてください。入試や奨学金等のアドバイスももらえるかもしれません。

残念ながら、面談時に全ての学生と十分な時間をとって個別に話をすることは時間の関係上できませんので、あらかじめ学生にはメッセージを書いてもらっています。私に一切忖度することのないよう、デメリットがあればそれも正直に書くように依頼していますので、先輩方の生のメッセージを読むことができます。先輩の声ページをご確認ください。メッセージを読んで、特に話をしてみたい学生がいれば、あらかじめリクエストしていただければ調整が可能かもしれません。

すべての研究は過去の先生方の知識の上に成り立っています。ですので「一定の基礎学力」がないことにはそもそも研究になりません。日本語の教科書に書かれていることをあまり理解できないのに、英語で最先端の論文を読むなどできるはずがありません。論文を読んで理解できないのに、研究をしたり論文を書いたりするのは不可能だというのは自明でしょう。また、基礎学力がないのに討論はできるというのもありえません。

私は世の中の民間企業のような「学歴」で篩にかけることは決してありませんし、これまでの専攻も不問なので他分野出身の方も歓迎しますが、「学歴」は重視しています。つまり大学に入学後に何を学習してきたのか、何をなしてきたのか、それを加味して「一定の基礎学力」を判断しています。

例えばセンター試験が30%しか解けなくても入れる大学の卒業生と、60%の成績が必要な大学の卒業生なら、一般的には後者の方が「一定の基礎学力」があると言えそうですし、相対的に学習をしているのは事実でしょう。しかし例えば30%の成績で入れる大学の人であっても、学生の間に一念発起してTOEIC 900点とか、難関国家資格をとったとか、英語の研究論文を発表したとか、プログラミングの大会で輝かしい賞をとったとか、起業経験をしたとか、自主的にインターンなどをして自分の価値を高めたとか、その他課外活動等、何でもいいのですが大学入学後に「普通の」学生にはない素晴らしいこと・難易度の高いことに取り組んできたとなれば話は全然違います。このように「その後」のことを加算したのが「学習歴」であり、現在の力を反映する指標になると考えています。もちろん「学習歴」実績のある方のほうが、大学院入学後も伸びしろが大きいことは間違いないでしょう。

このページにもし目安を書くとすればみなさんの大学入学後の努力や主体性などを加味できない経歴ベースのものになってしまうので気が進まないのですが、しばしば聞かれるのであくまでざっくりした目安ということで記載しておきます。少なくとも同世代の大学進学者の平均以上の学力 (例えばこちらのサイトで偏差値50以上など) を求めますし、(特に私立大学の場合は推薦やAOなど入試形態は多様なので) 同等の水準である出身高校の偏差値60以上というのも目安になると考えています。コンピューター解析に特化したい方、医療系・ライフサイエンス系・数理系・情報系以外のご出身であればもう少し水準が高くなります (例として大学偏差値55, 高校偏差値65など)し、博士課程に出願する方はこれまでの研究内容・発表実績も加味します。この段落の冒頭にも申し上げたとおり、いろいろな方がみるホームページだからこそ経歴ベースの基準になってしまっていますが、実際には経歴だけでは分からない大学入学後の努力や積極性を自己PRしていただき、それらを合わせて学習歴を個別に判断させていただいております

ご存知の通り、国立・東京医科歯科大学は数々の大学ランキングで指折りの評価を受けており、全国から高いレベルの、そして意欲的な学生が集まっています。東大をはじめ国立大学や、関東の私立だと早慶・MARCHクラスの出身者はゴロゴロいますあるいは何かの分野で「普通でない」実績を持つ方たちです。清水研を志望した場合、大学院入試の競争相手はそういうツワモノたちです。世の中には受験すれば必ず合格できる試験もいろいろありますが、本学の院試は「ガチ」であり、教授の推薦でも本人のやる気でもなく、試験での点数が全てです。きわめて公正な試験です。高いレベルの受験生たちと合格枠を競う必要があるため、大変失礼ですが「一定の基礎学力」が相対的に足りず本学の院試に合格できる可能性がかなり低いと言わざるをえない方の場合はそもそも出願許可をしません。大学院の出願には少なくないお金がかかりますし、何より試験対策〜試験にかかる時間が無駄になってしまいます

塾や予備校が受験前に結果を高い精度で予測できるのと同じように、私は本学の院試にとれくらい通りそうかを「学習歴」や面談時のプレゼン・質疑などから予想することができます。落ちる可能性の高い本学の大学院準備に貴重な時間を使うのではなく、その時間を他の大学院の準備や別の有意義なことに使ってほしいと願っています。

当分野に興味がある方は遠慮なくメールをお送りください
面談後によく考えた上で当分野を志望したいという場合には、本学の大学院入試へ出願する必要があります。
ただそれに先立ち、東京医科歯科大学では分野長へ出願許可を事前にとることというのが必須条件になっています。
そのため清水に再び連絡をして、出願したい旨をお知らせください。出願許可は書面・メール等で行う必要があるため、面談の時に口頭で、というのは応じられません。また、早い時期に面談をしていても、出願時期の3ヶ月前にならないとこの出願許可は出しません。素晴らしいラボは他にもたくさんありますので、ぜひそれらの先生のところをいろいろ訪問させてもらってください。

出願許可をもらったら期日に間に合うように願書を本学大学院入試課に郵送します。
当分野の分野コード「4630」と、出願許可をもらった日付を記載する必要があります。
修士課程は例年6月25日頃、博士課程は例年7月25日頃が締め切りです。

修士課程は8月上旬、博士課程は9月下旬頃にある大学院試験を受けていただきます。

入試に関するアドバイスを求められても適切なことは言えませんが、特に英語が一番差がつきがちな科目ですので重点的に勉強するといいのかもしれません。
合格最低点をクリアすれば入学はできますが、在学中、特にまだ論文業績がないうちはどうしても入試の成績がいろいろなところで評価指標として使われてしまうこともあるかと思います。
清水がかつて在籍したいくつかの研究機関では、例えば奨学金の学内選考などでもある程度は見られていると聞いたことがあります。
少しでも上位で合格できるよう全力投球することをオススメします

合格後の入学手続きが終わったあと、同期になるメンバーで初顔合わせを11月にオンラインで行い、プログラミング等の自習教材を提供します。現状の生命科学・医科学・数理情報科学の経験によって必要な時間は変わりますが、習得にはおよそ100-200時間かかりますので時間を確保してください。

それ以外に、11月から2月上旬にかけて定期的に集まり日本語で書かれた医療AIや深層学習の入門書をオンラインで輪読します。土曜日午前開催で、こちらはおよそ15時間くらいかと思います。
また、希望者の方にはこれ以外に生命科学を勉強していただける機会を土曜日の午後に提供します。具体的には清水の共同研究者である九州大学・中山敬一 主幹教授 (天皇陛下より紫綬褒章を賜った日本を代表する分子生物学者) の教室がオンラインで開催しているJournal Club (論文抄読会)へご案内可能です。こちらは担当者が2時間かけて背景や実験手法を説明したあと、学生らがfigureを解説し、その後discussionを行う回で、中山研以外の外部参加者もすでに何名もいらっしゃっています。

その他、各自の努力で自分に足りないもの(例として統計検定準1級相当の知識など)を勉強 してください。

博士課程に入学される方は、1月下旬より別途オンラインミーティングを行います。4月末が締め切りになる学術振興会特別研究員 (DC1) の申請書の準備です。

合格者の方々には、researchmapの開設と、当分野のホームページteamのところに掲載するプロフィールや写真も入学までにご用意いただきます
詳細は該当者にお知らせいたします。

本学の出願書類にはオプションとして第2志望を書く欄があります。

しかし当分野では第2志望、いわば滑り止めとしての出願は一切認めません。滑り止めを探している方は他のラボにコンタクトをとってください。

上記の通り自分の意思で変えられる「学習歴」は重視していますが、逆に年齢・性別・国籍等の自分で変えられない要素は一切不問ですので、何歳の方であろうと問題ありません。例えば医師の世界では30才を超えてから博士課程に入ることはそもそも珍しくないですし、企業勤務などをして40代になってから修士課程に入った知人もいます。アメリカでは大学院出願以前にまず研究業績を持っている必要があるので、大学卒業後に多くの人は数年間研究助手みたいなことをやって業績を積ませてもらってから大学院を受験します。必ずしも22才で修士、24才で博士課程に入学する必要はありません。

ただし年齢制限がない代わりに、年齢が上だからといって特別扱いはしません。清水研の中では、先輩は先輩ですし、同期は同期です。年下の先輩に年長者の威厳を見せつけてはいけません。

また他の点も同じです。男性だから、女性だからということで何かが変わることはありませんし、どこの国籍の方であってもビジネスレベルの日本語力&英語力を求めます。

清水は学生さんの自主性をとても尊重していますので、「来るものは拒まず、去るものは追わず」スタンスです。

連絡をいただいた方は全員面談の機会を設けさせていただいています

一般的な常識に欠く (無断遅刻、研究室訪問をするのにふさわしくない奇抜なファッション、ホームページに掲載していることを全然読んでいない、面談後早いうちにメール等でのお礼がないなど) 、清水だけでなくスタッフ・院生といった他の面談者たちからの印象もよくない等のNGポイントが複数ある方、当分野では明らかにhappyな大学院生活を提供できなさそうな方 (価値観のミスマッチ、興味のある研究対象が定まっているが当分野のスタッフの領域とはかけ離れているなど) 、本学の大学院入試に合格する可能性が半分もないと考えられる方を除いて、対面での面談後に清水側からお断りしたことは一度もありません。当分野の考え方を含めホームページにさまざまなことを公開していますが、それらを読んで理解し、面談後もいろいろ考えて、その結果として当分野に来たいという方は拒みません。唯一のselectionである本学の大学院入試に合格できる基礎学力があると私達が判断し、実際に合格すれば全員受け入れます

研究活動というのはクリエイティブな仕事であり、クリエイティブな仕事というのは希望者全員が結果が必ず出るというわけではないのはご存知の通りです。プロの音楽家になりたくてもみんながなれるわけではないですね。もちろん練習環境は非常に重要ですが、本人の努力と才能も同じくらい重要です。大多数の研究室よりずっと優れた研究教育環境を提供していると自負しておりますが、あとはご自身次第です。自分が一番成長できそうな、そして力を発揮できそうな、それでいてメンバーとの相性もよさそうなところを探すといいと思います。

当分野は国内で最もラボの考え方、教育方針、現在あるいは過去の論文、受給中のグラント、メンバーのプロフィール等の内部情報を公開している研究室だと自負しておりますし、面談時間は2時間をとっています。いろいろ考えた上で当教室を希望されるのであればwelcomeです。

本学の規定により当分野は修士課程は毎年最大8名まで受け入れが可能ですし、博士課程には (1次募集なら) 定員がありません (逆に2次募集は倍率が高くなり、定員は若干名です)。当分野を志望する方同士で合格枠の取り合いになることは実質的にないでしょう。本学全体での大学院入試 (他分野を志望する受験生との勝負) に合格すれば問題なく所属可能です。

ただ1つ先にお断りしないといけないのは、毎年新たな人がやってくるということです。東京医科歯科大学はもともと研究教育活動のわりにキャンパスの敷地が狭く、どの部局も決して十分とは言えないスペースをやりくりしています。

AIシステム医科学分野はその中でも2022年にできたばかりの新しい部門で、既存の部門が使っていない部屋を使う形になっており、いくつかの部屋が点在しています。1年目は教授室に最も近い部屋を優先的に使っていただきますが、最初の1年で集中トレーニングをして一通りのことは自力でできるようになった2年目以降は新しく来る後輩に場所を譲っていただき、少し離れた部屋に移動していただく可能性が高いです。

少し離れた部屋とはいえ同じ大学の中です。定例ミーティングは変わらずにみんなで行いますし、いつでも教授室に相談に来ていいのも同じです。清水は全ての部屋を1日1回は訪問するのでその時に話をすることもできます。

入学時に定員を設けない分、2年目以降に学内の別の場所に引っ越しする可能性についてあらかじめご了承ください

本学の大学院入試について、過去問は事務局に問い合わせることで過去3年分をメールでもらうことができます。詳しくはこちら

また、修士課程の出願では研究の展望・抱負について400文字以内の文章を提出する必要があります。他分野出身者など、ご希望があれば事前に簡単な打ち合わせ・添削等も可能です。

インターネットで修士の合格体験談などを見ると、倍率は1.5倍ほどではないかと書かれていますね。私は何もコメントできませんので、入学試験に関することは本学ホームページの大学院入試の事務宛にメールでお尋ねください。正確な数字を教えてもらえるかもしれません。

本学は国内でも有数の知名度があり、国立大学で言えば旧帝大クラス、私立大学で言えば早慶と肩を並べています。それらの大学やそれに準じる大学の学生たちが受験する試験になることはご注意ください。

本学の院試はコネなしの実力勝負であり、試験本番の結果が全てです。

清水はまず合格できそうにない方の場合は受験を認めませんが、合格するチャンスもある方には出身大学や分野に関わらず出願を認めていますし、合格後には全員受け入れています。

結論:6年制の学部卒の方、修士課程に出願する方、修士の学位を取得 (分野は問わない、また取得見込みも含む) 後に博士課程に出願する方には「出願資格審査」は不要です。それ以外の経歴で博士課程に出願する方は出願前に「出願資格審査」が必要です。

——-以下詳細です——————

4年制大学卒業後、修士の学位を取得 (見込み含む) 、その後に博士 (医学) を目指す博士課程に入学する際には、文部科学省の指示により出願資格審査が一般的には必要です。正確には博士課程の出願資格(6)③に該当するのですが、本学では、修士の学位をお持ちの方(理学や工学等の直接的には医学とつながりのない分野でも問題ない、また取得見込みも含む)であれば、大学の医学、歯学、薬学を履修する課程を卒業した者と同等以上の学力がある者とみなしているため、出願資格審査は不要です。

6年制の学部卒でもないし、修士号も持っていないが、博士課程に入りたいという方は、経歴・実績等によって可能ではあるのですが、出願資格について出願前に個別に判断されます。

本学独自の制度ではなく、医学部の大学院では全国のほとんどで行われている出願資格審査と同じですのでご了承ください。詳細は本学の募集要項をご確認いただき、疑問点がありましたら清水までお尋ねください。本件の事務担当者にお繋ぎします。

結論からいうと、条件次第で2次募集への出願を認めます

本学の修士の入学試験は年1回ですが、博士課程は第1次募集 (7月下旬締め切り)と第2次募集 (11月下旬締め切り) があります。博士課程への出願は原則として第1次募集を受けること、そして万が一にもそれが不合格だった時にのみ第2次募集に出願すること、というのが当研究室の基本です。

しかしながら、何らかの原因で博士課程第2次募集しか受けられないという方もいるでしょう。その場合には次の2つを満たすのであれば検討していただくことができます。

1) 10月下旬までに清水との面談を終え、かつ出願することを決定しその意向を10月末までに清水にメールで報告すること。

2) 合格見切り発車的に、11月から開始予定の合格者顔合わせ・オンライン勉強会 (隔週土曜日) ・オンラインで提供する翌4月までの予習教材・翌年2月以降開始予定の学振DC申請書打ち合わせ、について11月 (大学院試験前) から第1次募集合格者らと同様にこなせること

2次募集の合格発表は3月上旬であり、それから入学に向けた準備を始めても遅すぎです。1次募集合格者と同様の準備時間がとれる場合にはじめて2次出願という選択肢も出てきます

ただし1つだけ注意点を。2次募集は1次募集より倍率が高く、当分野も若干名しか受け入れられません。合格する可能性が高いのは1次募集の方です。

学費は国立大学はどこも同じ金額です。東京医科歯科大学のホームページにも記載されている通り、年間で535,800円です。初年度は入学金282,000円もかかります。

特別な事情があり納付が難しい場合、入学金・授業料の免除・猶予制度がございます。

当分野では大学院生を対象にした独自の生活費援助を用意しており、規定を満たす方は積極的にTA/RA等として採用しています。学費の足しになりますし、何よりTA/RA採用は職歴になるので履歴書の観点からも有利になります。

以下ではそれ以外のものをいくつかご紹介します。

日本学生支援機構は、貸与型の奨学金だけではなく、給付型の奨学金も用意しています。帝人奨学会の修士課程 (月8万), 博士課程 (月10万) の奨学金 (卒業後研究機関に勤めれば返済免除) や、各種団体の奨学金があります。

さらに、東京医科歯科大学独自の奨学金もあります。2021年度からは科学技術振興機構(JST)の「次世代研究者挑戦的研究プログラム」に採択されており、東京医科歯科大学の博士課程学生、各学年30名に毎月16万円を給付する制度「卓越大学院生制度(Ⅱ)」も始まりました。

より大きい金額の支援としては、日本学術振興会の特別研究員 (DC) 制度があります。これは毎月20万円が支給され、博士課程2-4年生の3年間 (DC1の場合) もしくは3-4年生の2年間 (DC2の場合) 支援してもらえるのみならず、DCを獲得したこと自体が受賞歴となり優秀な研究者の卵であることを示す名誉あるものです。私たちは、栄誉あるDCを博士課程の大学院生に獲得してもらえるよう申請書を念入りに添削します。また、修士課程の学生にはDCの審査に有利となるような各種発表を後押ししています。

※ 返済不要の奨学金 (給付型奨学金) や学振DCがほしいのはみな同じです。そのため受給には選考に通らなければなりません。申請書の手直し、プレゼンの指導等は手厚く行いますが、申請書を書くのもプレゼンスライドを作るのも自分のことは自分でやらないといけません。また、これまでの自分の実績を審査員に示し、将来有望であることを強く印象づける必要があります。競争相手がいることですので、相手の方が優秀だと思われれば必ず受給できるわけではないことはご理解ください。

清水研のメインの所属は東京医科歯科大学・M&Dデータ科学センターです。パソコンは商売道具であり、絶対に必要な備品としてこちらで用意します

デスクトップのiMacパソコン (Apple M1チップ、メモリ16 GB、ハードディスク2TB、24インチ)を支給します。それ以外に必要であれば、個人で使っているノートパソコン等を持ち込んでいただいても構いません。

実験大歓迎ですし、清水も筆頭著者として複数の実験系論文を発表しているので指導できます。ただ私たちのデスクがある建物内には実験施設はございません。ベンチがあるのは、そこから徒歩で6-7分ほど行った所にある東京医科歯科大学の別の建物になります。ここは改修された共用の実験設備でして、一般的な分子細胞生物学実験はほとんど全て可能です。

1つの実験設備を複数のラボが使うというのはアメリカでは普通のことですし、管理してくださる方が別にいらっしゃるので、(日本の他のラボのように) 機械の故障等に対して大学院生が自ら業者を手配して修理に立ち会う等の雑用がないというのは大きなメリットです。

デスクとベンチが離れた場所にあるというのはデメリットに映るかもしれませんが、京都大などでもそれほど珍しいことではありませんし、他の分野の学生さんともオープンにdiscussionできるいい機会です。研究室に閉じこもりの生活になりがちなので数分間の運動を意図せずできるというのは健康にも好ましいこととと思います。

出願前の面談および入学前後の面談でどのようなキャリアパスを描いているのか、どのようなことに興味があるのかをお伺いし、最初のテーマはその希望に添えるようなものを一緒に考えます。もうちょっと言うと、現在の研究で紹介している数個のカテゴリーの中のどれに最も興味があるのかをお伺いし、そのカテゴリーに入るテーマを考えます。ここに入っていないテーマ、例えば脳に関する実験をメインにしたいなどの要望は受け付けられません (もし本当にやりたければマイプロジェクトで提案していただくことになります)。

入学後最初の1ヶ月弱はオリエンテーションなので、プロジェクトの始動は5月からです。また、すでにラボ内で動いている他のプロジェクトのお手伝い (共同研究)も積極的にしていただきます。

入学後半年ほどたった後は、「マイプロジェクト」始動に向けた申請書を書いていただきます。この申請書はラボのスタッフしか読みませんが、一人前の科学者になったときに必要な書類と同じものを書くことでさまざまなトレーニングになるだけでなく、頭の中にもやっとしているプロジェクトを見つめ直し洗練させるよい機会となります。

これまでのプロジェクトに並行して、2年目からは自分で考えたマイプロジェクトもスタートします。

しばしば「レセプトデータを使った潰瘍性大腸炎への医療介入の研究をしたい」とか、「CT・MRI画像から脂質の特性を予測する人工知能を作りたい」とか、「マウスを使ったセロトニンの脳腸連関の実験をしたい」とか、すごいピンポイントなテーマをしたいとメールでお問い合わせをいただきます 。

私たちの現在のテーマや過去のテーマは全てホームページで公開していますので、それらを調べた上で関連するテーマをご提案いただくのはwelcomeなのですが、私たちがこれまでやったこともないし今は特にやっていないspecificなテーマをいきなりやりたいと言っても難しいのは賢明な読者の方には自明かと思います (そのテーマを指導できる教員もいません)。

ただ、ラボに来て1年が経てば&優秀でかつ熱意があれば話は別です。最初の1年は寝る間も惜しんで研究や勉強をする生活になりますが、その間にほとんどの解析は一通りできるようになりますので、2年目からはもともとのプロジェクトと並行して「マイプロジェクト」を始動させることになります。これは自分で先行研究を調べ上げて練ったオリジナルテーマを、自らがプロジェクトリーダーとして論文化を目指すという取り組みでして、ここにおいては全て自己責任でプロジェクトを立案・実行することができます。

ただし、他のプロジェクトと「並行して」というのが大事です。あくまで立場は学生であり、自分で研究費をとれないうちはマイプロジェクトに100%専念することはできません。最大でもエフォートは50%までで、複数のプロジェクトの1つとしてマイプロジェクトを行っていただきます

マイプロジェクトを始めるには、科研費若手研究に準じた申請書を提出していただきます。先行研究調査や研究計画が全然できていない申請書、あるいは研究にかかる期間や予算の見積もりが甘い申請書は容赦なくrejectします。マイプロジェクトを推奨しますが、どんなプロジェクトでも自由にやらせるつもりは毛頭ありません。税金を使って研究させていただくのです。業績欄は勝てなくても、プロとして研究内容だけは博士号取得者が執筆する計画書と同等でなければなりません

教員の指導がないと研究にならないうちは教員に近いテーマで修行が必要だ、税金を使って自分の研究をするからにはそのピンポイントの領域についてはプロとして他の学者と同等以上でなければならない、そして自分のプロジェクトに専念したければ早く独立して自分でグラントを確保することが必要だという、いたって当然のことです。

清水研では「データサイエンスで未来の医療を創る」ことを掲げています。広い意味でここを目指したプロジェクトであれば実験を行うものも含めてどのようなテーマでもやっていただけますが、そのプロジェクトへは当研究室が持っている予算の中からサポートするわけですので、当研究室が獲得しているグラントと全く関係ない内容であれば配分してあげられる研究費も少なくなりますそれで足りなければ、大学院生向けのグラントをご自身で獲得する必要があります

また、マイプロジェクトを開始するには、科研費若手研究に準じた研究計画書を作成し、プレゼンをして教員から承認をとる必要があります。例えばその提案プロジェクトの先行研究や、プロジェクトがうまくいった際にはどのような雑誌への発表を考えているのかといった相場観、研究計画そのものや予算・研究期間の見積もりに無理がないか厳しく審査します。マイプロジェクトを奨励しますが、プロの研究者にはありえないズボラな研究計画でGoサインをもらえることは絶対にありません

大学院生は守られている立場ですが、博士をとって自分がやりたいことを行うには自分で競争的研究費をとる必要があります。多くの研究室では大学院生時代に訓練することはまずありません。清水研では第三者視点で研究申請書を査読し基準に満たないものは何度もrejectしており、自分で考えてブラッシュアップする過程を繰り返す中で、大学院生には「採択される研究プロジェクト」の提案の仕方をしっかりと身につけていただきます。

もちろん清水の価値観が絶対の正解ではありませんが、グラントページをご覧いただければお分かりの通り清水研メンバーは数多くの研究助成金に採択されています。いずれも5倍・時に20倍もの競争倍率から勝ち取り続ける秘訣を大学院生には学んでもらいたいと思っています。

面談で進行中の共同研究について聞かれることがしばしばあります。質問の意図は、そういうプロジェクトに自動的に自分も加わる、ということのようです。

申し訳ありませんが、共同研究は先方が極秘に主導するものであり、そのような機密情報を見学に来た学生に話すことはありません。

また、すでに進行しているプロジェクトを新人の学生に担当させることもありません。外部のチームとの共同研究は当然ながら一定の責任があり、それを任せられるような人にしか担当にしません。共同研究にも積極的に参加して実績を増やしたければ、まずしっかり勉強して力をつけ実績を出し、それを上手にアピールする必要があります。あるいは、学会などで積極的に発表し、新たな共同研究のきっかけを自分でつかむというのもいいでしょう。

清水は大学院をすごした中山研時代にもたくさんの共同研究プロジェクトに関わらせていただきましたが、これは中山研の「普通」の大学院生の5倍を超えています。研究室に入ればみな等しく共同研究のチャンスをもらえる、というのは間違いです。

もちろん可能ですし、むしろ2年目以降は積極的に発表していただきます。他の参加者から建設的なフィードバックを得る絶好の機会ですし、志を同じくする同世代の知人を増やすチャンスでもあります。

例年12月1日頃に行われる日本分子生物学会がメインで、他にバイオインフォマティクス学会 (例年9月) もしくはメディカルAI学会 (例年6月) も参加可能です。

発表する場合は、現地までの交通費・宿泊費が東京医科歯科大学の規定に従って支払われます。学会費は自分で払う必要がありますが、学生割引の適用で、年間数千円程度です。国内学会発表はハードルが低いのでどんどん発表してください

国際交流は大事ではありますが、それはポスドクで海外留学すればたくさん経験できます。修行期間の大学院生時代に優先するべきことは、母国語でいいからしっかりとした研究遂行力を身につけ実績を得ることです

学部生までの「交流」と違って、研究者の「交流」はただ楽しくお話しているだけではまずできません。つまり自分のレベルがある一定水準まで高まっているからこそ、相手の研究者と交流ができるのです。研究力が何もないのに「国際交流」なんかできません。何もできないうちに「交流」しても、相手の方にとって何のメリットも感じないのですぐに忘れ去られてしまいます。

そのため、国際学会についても実績がないうちに参加はできません。しかも国際学会発表で未発表データを見せると盗まれてしまう可能性もあります。インパクトファクターでいうと1桁後半あるいは2桁雑誌に筆頭著者として論文を発表して、その後に国際学会で発表というのが妥当なラインかと思います。

なのでまずやるべきことは自己投資をして実績を出すことです。

なお、学会側からスピーカーとして招待があれば参加していただいて構いません。あるいは、大学院生向けの国際学会参加グラントをとった場合も参加できます。招待されるようになる or 大学院生向けのグラントをとるくらいの実績が先立って必要になるのが国際学会です

また、最近は現地にいかないオンライン国際学会も増えています。オンライン国際学会に参加したいのであれば、研究情勢によって参加を認めますのでご相談ください。

全くありません。うちは語学学校ではないのです。英語の訓練をしたいなら別のところでやるほうが身につくでしょう。それにほとんどの留学生にとっても英語は外国語であり、むしろ日本語の方が得意という人の方が多いです。

大学院の今必要なのは、中途半端に英語と研究の両者にふれることではなく、研究に全力投資して成果を出すことです。英語が下手くそでも、研究内容が素晴らしければ海外の研究者たちは熱心に耳を傾けてくれますし交流もできます。反対にいくら英語がペラペラでも研究内容がスカスカなら研究者コミュニティーでは全く相手にされません

二兎を追う者は一兎をも得ず、です。

大学院で卓越した思考力・研究力を母国語で身につけ、実績を出し、その実績を掲げてポスドクで海外に出るという方がずっと早道です。

いいえ、できません。

ビジネスへのAI応用はとてもホットな領域だとは思いますが、当研究室はあくまでもアカデミアで活躍したい人を育成することを目指しております。素晴らしいアカデミアの研究をして、それで特許・実用化につながることはあっても、最初からビジネスを目指して研究をしているわけではありません。

他のところにも書いていますが、今は集中的に自己投資しなければならないのです。ビジネスもいいしアカデミアもいいしなんてことを言っていたら、どっちもできない中途半端なままで大学院生時代が終わってしまいますよ。

ビジネスをしたいならビジネスに特化したところを探してください。

私たちの研究室は研究と教育に特化しているので、民間企業就職に使える「コネ」は一切ございません。コネ推薦目的で入学を検討されている方のご希望には添いかねるので、他の研究室をお探しください。

修士課程については2年間で、これはよほどのことがない限り (つまり欠席が多いなどがない限り) 2年で修士を取得できます (逆にいくら優秀でも2年かかってしまいます)。

修士課程を卒業すると修士 (医科学) が取得できます。

博士課程については原則4年間ですが、こちらは絶対に4年でというわけではありません。優秀な上に研究にひたむきに打ち込み論文がアクセプトされれば1年短縮して3年で博士号を取得できますし、逆に論文成果が出なければ4年で取得できず論文が出るまで留年になります。

特に博士課程については、自分のキャリアは自分で切り開く必要があります。

博士号は、次の3つのものの中から自分で希望する1つを選んで取得できます。

博士(医学)、博士(学術)、博士(数理医科学)

また、複雑な事務手続き等が必要ですが博士(歯学)をとることも可能です。

本学の大学病院は2022年から「基礎研究医プログラム」が始まり、研修医をしながら基礎系の大学院生をできるようになりました。しかしながら、当研究室では初期研修医しながら博士課程というのは受け入れしません

「基礎研究医プログラム」は将来基礎系の研究者を目指すコースですが、基礎医学系の競争相手は医師ではありません。理工系・農学系など、さまざまな学部出身の優秀な方との熾烈な競争に勝たなければいけません。医学生がのんびりしている間に、彼らは学部4年 (卒業研究)・修士2年間、そして博士課程4年間と、バイトもせず7年間も基礎研究にひたむきに捧げています

そんな彼らと博士号をとる時には対等以上になっていないと基礎研究者としては生き残れません。この世界は医師免許なんか何の価値もないのです。医学部出身者はただでさえ博士課程4年間のみで彼らと競う必要があるのに、さらに初期研修をしながら、つまり実質2年ちょっとのトレーニング期間のみでプロにならないといけなくなるのです。

「基礎研究医プログラム」なんか選択したら、彼らは学位取るまで常勤7年の研究、こちらは学位とるまで常勤2年の研究、ハンデは5年です。あなたは6年近くも医学トレーニングを受けていましたが、医学で1年生に負けることはありますか?あなたは医学部2年の終わりに、5学年上の、研修医を1年終えた先生よりも優れていましたか?どちらもありえないでしょう。

この業界は優秀でかつ実績をあげた人しか残れない競争の厳しい世界です。臨床研修を片手間にしながら勝ち残れるほど甘々な世界ではありません。

本当に基礎研究者として活躍したいのであれば、大学院には4年間本気で挑戦するべきです。もしご縁があれば、2年後の初期研修が終わる頃にお待ちしています。

原則として常勤の仕事をしながらスキマ時間に大学院生というのはできません。1万時間ルールは聞いたことありますね? その道のプロになるにはどんな分野も1万時間の練習が必要だということです。常勤の仕事があると、研究できるのは週に1-2日程度、多くて20時間ほどでしょうか? 1万時間に達するには500週、つまり丸10年かかってしまいます。片手間の研究では大学院の数年でプロになるのは無理なのです。

例外的に、この分野にかなり先行投資をしていてすでに経験豊富なら可能かもしれません。例えば先程の例だと4年で4000時間ほどになりますが、すでに6000時間ほど経験がある状態なら合わせて1万時間になるため期限内に学位取得は可能かもしれません。

したがって、すでに十分な経験と知識、そしてそれに見合う実績をお持ちなら論文博士を目指すというルートもあるかもしれませんが、この領域をほとんど知らないのに常勤のお仕事をしながら、という場合は責任をもって学位指導ができないのでお断りさせていただきます。

はい可能です。ただし、清水研のスケジュールの方が優先です。これらに参加できるような非常勤のお仕事を探してください (水・木・日曜日いずれかのお仕事をオススメします)。また、どのような非常勤のお仕事なのかを大学に届けて承認をもらう必要があります。非常勤のお仕事は週に8時間まで (当直のお仕事なら週1まで) といった制約を守っていれば大丈夫です。

ただし、非常勤でいない分は例えば休日に研究をすることで埋め合わせをするなどしないと、単純に研究時間が少なくなるわけですから、学位をとるのもその分遅れてしまうでしょう。博士号は努力賞ではありませんので、博士号をとるためには成果を出して、つまり筆頭著者として執筆した論文が海外の専門家たちの厳しい批判に耐えて認められアクセプトされないと取得できません。自分の想定よりも卒業までにずっと年数がかかってしまい、キャリア形成に支障が出てしまう可能性も当然ながらより高まります。

そうしたリスクへも覚悟があるなら、非常勤のお仕事を規定の範囲ですることができます。

研究指導委託、つまり臨床の医局に所属しながら私達の研究室で学位を目指すというのは条件付きで可能です。

その条件は2つあり、

  1. 1年生であること
  2. 月〜土のうち、週に5日は通年・フルタイムで研究に専念できること (医局のdutyと外勤が合わせて週1日を超える、季節限定で地域の診療応援にいく必要があり不在等は不可)。

例外的に医局のduty (セミナー参加、朝晩の当番、TA等も含む) が平均して3時間/週未満であれば外勤1日+医局dutyでも熱意次第で受け入れます。

それ以外は責任を持って指導できないので当分野がメインで学位というのは難しいですが、共同研究の形でなら学生の副指導 (医局主導で研究をすすめ、当分野は部分的にアシストする) は可能です。

「学部生や大学院生等として参加を考えているわけではないけれども、私の進路の相談にのってくださいとか、清水の過去の経験談をもっと知りたいです」とかいう連絡をしてくる方が少なからずいます。

過去には10件ほど個別対応をしたこともありますが、現在は受け付けていません。

私の時間も有限ですので、当分野に興味を持つ学生さんの教育や相談にのることだけで手一杯です。

個別対応はできませんが、学生さんへのジェネラルなメッセージは次の記事もお読みください。

自分の人生の岐路の1つですから、興味があるところをいろいろ見てよく考えてほしいと思っています。「本命」のラボが別にあっても、少しでも気になっているのであれば当研究室に一度遊びに来てください。歓迎します。

「他にどこのラボに見学に行っているの?」などの質問はしません。清水は学部時生時代は4つのラボに出入りさせていただきましたし、大学院を決めるときにも数箇所見学にお伺いさせていただいています。むしろ「ここしか考えていません」という学生さんには、他の選択肢もよく考えるようにアドバイスしています (笑

うちが本命であってもなくても、別け隔てなくお話したいですし、次の世代を担う優秀な学生さんの進路選択を少しでもお手伝いできれば光栄です