ご挨拶

こんにちは。国立大学法人 東京医科歯科大学・M&Dデータ科学センターの清水 秀幸です。私達のホームページを訪れていただきありがとうございます。

 

人物認識や外国語翻訳、実用化も近い自動運転に至るまで、人工知能 (AI) は社会に大きな変革をもたらし始めています。またビッグデータの蓄積とそれを解析するための数理情報基盤の拡充により、生命科学・医歯学領域の研究は新たな変革期に入っています。

 

そこで私たちは、数理情報学を武器として医科学の諸問題に切り込み、Social Impactの高い医学・医療研究を担うことで、東京医科歯科大学のスローガンでもある「世代を超えた人類のトータル・ヘルスケア」の実現を目指しています。より具体的には、COVID-19のような新しい医学上の脅威や課題をいちはやく克服できる仕組みをデータ科学の力を最大限に活用して見つけ出し、各分野の共同研究者とともに実験検証を並行して行うことで次世代型の医療を目指します。最近はAIによる創薬 (低分子だけではなく核酸やペプチド等も含む) にも力を入れており、また自然界の生物 (特にバクテリア) が持つ不思議で有用な特性をデータサイエンスによりゲノムマイニング・シミュレーションし、それを工学的に改変して医療に結びつけるというようなエンジニアリングの観点に立った応用志向のプロジェクトも始まります。

 

さらに、データサイエンスマインドを持つ次世代の生命科学者・医療者を育てることをもう1つの重要なミッションとして捉えております。大学院生・学部生を中心にした学生教育を非常に重視し、先行して医科歯科大学だけではなくどこの大学の学生でもオンラインで参加できる学部生のバイオメディカルデータサイエンス勉強会を発足させました。

 

これまでの生命科学・医歯学研究は、情報がそれほど多くない時代だったので研究者が持つ仮説をベースにした実験的アプローチが主流でした。しかし今日ではゲノムもプロテオミクスも超解像画像もシングルセルレベルで得られるようになりました。今後ますます重要になる

  • AI
  • システム生物学 (数理生物学的なアプローチ)

を抵抗なく使って広義の医科学研究を加速させられる次世代の人材を輩出したい。そんな願いから「AIシステム医科学」と命名しました。

 

ホームページは見どころ満載、頻回更新を心がけておりますので、どうぞゆっくりご覧下さい。

東京医科歯科大学教授 清水 秀幸