東京医科歯科大学の医学科4年プロジェクトセメスター (プロセメ)および歯学科4年研究実習受け入れについてご案内します。

世界に通用する医歯学者の卵を養成します

当分野は医療・バイオ・データサイエンスにまたがる広い範囲の研究をしています。そのため各自の興味関心に近いテーマを遂行していただける可能性も高いと思います。AI創薬や数理モデル、バイオ/クリニカルインフォマティクスといったいわゆる「ドライ系」が主体ですが、希望する学生さんには「ウェット系」(実験系) との融合が必要になるプロジェクトも提供できるでしょう。

当研究室では研究実践プログラムにおいてグランドマスター制度として50項目のスキルセットを提示していますが、もちろんプロセメ配属学生もこれらの修得を目指すことができます。

募集定員および求める学生像

募集定員は原則として医学科が最大4名まで、歯学科が最大2名まで、両学科合わせて最大5名までです。定員を超える申し込みがある場合には次の順番で決定します。

  1. プロセメ等の説明会がある3年後期よりも前から当研究室で学んでいる方
  2. プロセメ後も在学中は定期的に研究室に来て研究活動に取り組み成果をまとめ学部生時代に論文発表をしたい方
  3. それ以外の学生さん達による話し合いで決まった方

ただし、1および2の時点で定員をオーバーした場合には、定員を超える受け入れが可能である場合もあります。事務から配布されている募集要項に応相談と書いてあるのはそのような意味です。

いずれにせよ「自ら貪欲に学び続け、また学んだことを仲間同士でシェアしさらに高め合っていけるような向上心と協調性のある方」というのが受け入れの必須条件になります。数理や情報科学領域の事前のスキルは不問です。

また「世界に通用する」というのが当研究室における実習の到達基準ですので、学生さんには筆頭著者として国際学術誌に成果を発表し世界中の方に読んでいただくところまでを目指していただきます。この点からもお分かりいただけるかと思いますが、当研究室への配属は「ガチ研究」を意味しますので、初日と最後の日だけ行けば残りの期間はフリータイムみたいなものをご希望であればよその研究室にアプライしてください。受け入れる以上はこちらも責任を持って「世界に通用する医歯学者の卵」を養成しますので、みなさんもそれに応える責務があります。

私たちの強み

医科歯科の中にも広い意味でのデータサイエンスをやっている先生は何人もいらっしゃいますが、それらの先生方は医師免許やその他医療系の診療現場での経験、バイオ実験系の研究実績、海外での研究経験がない方がほとんどです。私は医学よりも前から情報科学に触れており数々の賞もいただいてきました。医師免許をとって研修医も修了しているので、診療の初歩は身につけています。また大学院時代はいくつかのデータサイエンス論文を出していますが、それとは別に実験系の論文で博士号をとりました。さらに、アメリカHarvard Medical Schoolへの研究留学もしており国際的な視点も身につけています。このように医学・生命科学・情報科学のトリプルメジャーである先生は日本国内にはほぼいらっしゃいません。他の先生方と比べみなさんとバックグランドが近いこともあり、国際的な視座も含め多様な見地からより広範な学びを提供できるでしょう。

私たちは医療・バイオ・データ科学の融合分野を研究しています。AI創薬や数理/物理モデル・分子生物学といった基礎的な研究から、がん・感染症・生活習慣病・免疫疾患など幅広い疾患の研究まで手掛けていますし、いずれも海外の専門家集団による厳しい査読に合格して論文発表をしておりますので、科学的妥当性を満たしそれぞれの領域における新たな1ページを切り開いてきました。これはそのまま強みにもなり、清水研に所属することで1年次の延長である教養科目・基礎医学・臨床医学・データサイエンスの多様な領域を学ぶことができるということです。「耳学問」という言葉はご存知ですよね。たくさんのトピックスに見聞きするからこそ、本学を卒業後に専門分野が決まった時に、他の医師にはない独自の視点が築けるのです。私たちの分野はデータ科学センターにありますが、データ科学はもちろんのことそれだけにとどまらない広範な武器を授けたい、そう考えています。

指導担当者

研究については、学部生1人につき

  • 修士課程学生1名
  • 講師または特任助教1名
  • 清水

の3名で指導します。その他の事項については、ラボ内の全スタッフ・大学院生がサポートします。

当分野が提供する研究環境

  • オープンアドレス式の机・椅子 (24時間利用可)
  • 高速Wifi環境
  • ラボ共通図書 (関連書300冊)
  • スーパーコンピューターSHIROKANEアクセス権 (家からでも利用可)
  • 配属前に学習するオンライン予習教材 (200時間分の演習教材)
  • 実験や情報解析に関わる膨大なオンライン教材・リソース (1万ページ以上)
  • (希望者のみ, 7月以降) 一通りの分子細胞生物学実験環境 (ただし動物実験は不可)

配属・研究の流れ

当研究室を候補の1つと考えている方は、メールで清水に面談をお申し込みください (すでに研究室に通っている学生さんは面談不要です)。面談は日程調整の上、駿河台キャンパスにある私の部屋で行います。平日午後に1時間ほどを確保していただきます。学生さんには面談前日までに自己紹介スライドをメールで送付していただき、当日は自己紹介をしていただいたあと、こちらからも分野の概要をスライドを使ってご説明します。そしてちょっとしたツアーをしてどんな場所なのかを見ていただきます。

その上で配属を希望される際には事務の案内に従って登録してください。

配属が内定したら、すぐにオンライン予習コンテンツを提供します。また、4月・5月にデータサイエンスに関する書籍の輪読会をオンラインで行います (学生さん方の日程調整の上で全6回)

配属が開始したら最初の1ヶ月はスーパーコンピューターを使ったバイオインフォマティクス解析技術の初歩や機械学習手法を身につけていただきます。また、論文によく出てくる実験結果の図について、どのように読めばいいのかを一緒に勉強します。この1ヶ月目には、並行して先行文献調査を徹底的に行なっていただき、Figure planを考えていただきます。

2ヶ月目からは研究開始で、直属の先輩として修士課程の学生1名、さらに上のアドバイザーとして教員1名の3名チームで研究に携わっていただきます。配属中は修士課程大学院生に準じて研究活動を行います。修士課程1年生は7月および9月に数理モデルの勉強会を行いますが、配属中の学部生も希望があれば一緒に勉強できます。

夏休みは、修士課程学生は1週間だけなのですが学部生には好きなタイミングで最大2週間とっていただけます。

研究発表1ヶ月前になったら、その時点でのデータをまとめはじめます。プレゼンの指導は修士課程学生と清水が行います。プロセメ発表会とは別に、私たちのラボメンバーだけの内輪な会でも発表をお願いします。普段は日本語の発表でいいですが、最後の1回だけは国際学会に準拠し、発表および討論を全て英語で行っていただきます

配属の期間 (医学科は6ヶ月、歯学科は3ヶ月) だけで論文にまでたどりつくのは難しいと思っていて下さい。ただ、骨格は見えているのであとは通いながらでもできますし、家からでもスパコンにアクセスできます。配属終了から1年くらいのスパンでコツコツ取り組めば、学部生時代に筆頭著者として国際学術誌デビューも夢では全然ありません

また、プロジェクトセメスターでAIシステム医科学分野に出入りしている方であれば、希望すれば清水研の研究者養成コースに応募することができます。この制度はドライとウェットの両者に精通する稀有な医師・医学者を目指せる、返済不要の奨学金が支給される、大学院を原則1年短縮で卒業できる、博士号取得後すぐに特任助教の待遇で雇用といった大きなメリットがある人気コースです。また、先に大学院博士課程に入り高度な研究トレーニングを行うMD-PhDコースも提供しています。