このページは東京医科歯科大学医学部医学科4年生 (次の春に新5年生) が選択できる「研究者育成コース」のご紹介です。

研究者養成コース: 早期から「世界に通用する医学者」を目指す

私たちは医療・バイオ・データ科学の融合分野を研究しています。AI創薬や数理/物理モデル・分子生物学といった基礎的な研究から、がん・感染症・生活習慣病・免疫疾患など幅広い疾患の研究まで手掛けていますし、いずれも海外の専門家集団による厳しい査読に合格してハイインパクトジャーナルに論文発表をしております。清水は博士号授与を審議する教授会の構成員なのでもちろん全ての博士論文に目を通していますが、本学の典型的な学生が博士課程の数年をかけて執筆する博士論文はIF 2~4くらいの雑誌に掲載されている一方で、清水研ではIF 2~4相当は学部生でも書いてますし、さらに上の学生さんは1桁後半や2桁雑誌に多数の論文を発表しています。学内の他の一般的な研究室に比べて、よりインパクトのある論文を量産でき、海外留学等MD/PhDとして次のステージに飛躍できる可能性は高いといえるでしょう。清水研でIF 1桁後半〜10台の論文を複数発表すれば、ポスドクでCell, Nature, Sciece等のトップジャーナルにたくさん発表している海外のラボにポスドクで採用される可能性は飛躍的に高まります

また、「耳学問」という言葉はご存知ですよね。たくさんのトピックスに見聞きするからこそ、博士号を取得後に新たな研究領域や考え方を自分の研究に入れることに抵抗が全くなくなるのです。昨今の研究は1つ覚えた得意技がずっと通用する時代ではもはやありません。新しいテクノロジーや分野をうまく自分の研究に取り込む柔軟性が未来の医療を創るのです。私たちの分野はデータ科学センターにありますが、データ科学はもちろんのこと、それだけにとどまらない、これから長い期間研究者として国際的に活躍する上での基盤となる広範な武器を授けたいと考えています。

私たちが提供すること

私たちはみなさんの本気をサポートするため次の30強のbenefitを提供します。

まず待遇面では

  • 月10万円の奨学金 (医学研究を続けるのであれば返済免除)
  • 大学院を原則3年 (通常は4年) で卒業する権利、および卒業後に希望があれば当分野の特任助教として最大3年の雇用

それ以外に、他のラボにはない下記のようなさまざまな支援があります。

  1. デスクトップコンピューターおよび高速Wifi環境
  2. ラボ共通図書 (関連書300冊)
  3. スーパーコンピューターSHIROKANE最上級モード(D9モード) およびデータストレージサーバーSHIRAUMEアクセス権 (家からでも利用可)
  4. MATLAB, Mathematica, Illustrator, Gaussianといった研究を行う上で不可欠の有償ソフトウェア
  5. 実験や情報解析に関わる膨大なオンライン教材・リソース (1万ページ以上、在宅で勉強可能)
  6. (希望者のみ) 一通りの分子細胞生物学実験環境および共用の専門実験機器
  7. (希望者のみ) 3Dプリンターを含む先端技術へのアクセスと企業との連携の場
  8. 米国マサチューセッツ工科大 (MIT) ・人工知能研究所 (CSAIL) で使われているのと同じ教材を使ったML特論 (2年コース)
  9. システム生物学, 数理生物学, 合成生物学, 量子情報科学等の多様な周辺領域を学ぶCS (convergence science) 特論 (2年コース)
  10. アットホームなラボ環境、ラボメンバーおよびM&Dデータ科学センター
  11. 国内でもトップクラスの優秀な同期・先輩後輩と切磋琢磨する場
  12. バイオメディカルデータサイエンスとその関連領域における人脈ネットワーク (清水研は30年続くので今後同門の方がたくさん輩出されるでしょう)
  13. ラボメンバーからの建設的な批判によるプロジェクトの軌道修正
  14. ほぼ毎週ある研究に関する個別ミーティングを通じた論理的思考回路の構築
  15. 多様な研究プロジェクトを見聞きする中で広範な科学領域に対する理解の提供
  16. 主体的に貪欲に学び続ける習慣と、それを人にシェアすることで自らのさらなる学びとする機会の提供
  17. 教員による補佐のもと、修士課程や学部生学生を指導するという、高等教育の経験
  18. マイプロジェクトとして自らの興味に応じてプロジェクトを0から立ち上げる経験
  19. 最先端の学術論文やテクノロジーを毎週学ぶ機会
  20. 英語運用能力の向上
  21. 発表プレゼンや書類等の手直しを通じた、研究者として生き残るための「聴衆への上手な見せ方」指南
  22. 倍率5倍, 10倍, 20倍の競争率に勝ち採択された過去の学振DCやグラントの申請書をシェアすることで、近い将来不可欠になる採択される申請書を書く秘訣を学ぶ機会の提供
  23. 最初は促されつつも、いずれは自主的に全国規模のセミナー等でみなの前で発言できるだけのセンスと度胸の養成
  24. 2年に1本以上の頻度で筆頭著者として英語学術論文を国際誌に発表できる可能性
  25. 書籍、各種記事等を執筆する機会
  26. (研究成果に特許性がある場合は) 特許出願経験 + 特許収入
  27. (研究成果に社会的インパクトがある場合は) プレスリリース、記者会見経験
  28. 少なくとも2ヶ月に1回の清水との面談・雑談により研究以外の困っていることを自由に相談できる環境
  29. (希望者のみ) 週に1回昼食をともにしながらデータ科学関連の他分野の先生、学生との交流
  30. (希望者のみ) 年に1回以上の国内学会発表機会の提供
  31. (希望者のみ) 各種奨学金申請書サポート

受け入れ条件

募集対象は「医学部医学科4年生」で、当分野の募集定員は最大3名です。

  • 研究実践プログラムあるいはプロジェクトセメスター等で以前から当分野に出入りしている方、またはそれ以外で研究実践プログラム1年分 (300時間) 以上の準備を5年生になるまでに行える方 (オンライン自習教材を提供します)
  • 広い意味の「データサイエンスで未来の医療を創る」ことに強い興味関心があり、将来的に博士号取得・ポスドク等を経て学術/産業界でのPrincipal Investigator (教授・研究部長等)を本気で目指している方
  • 清水研の教育ポリシー研究ポリシーに賛同いただける方
  • 自ら貪欲に学び続け、また学んだことを仲間同士でシェアしさらに高め合っていけるような向上心と協調性のある方
  • 自ら主体的に考え挑戦できる卓越した思考力・行動力のある方
  • 短縮する大学院1年分 (2000時間) に相当する研究時間を学部5年・6年の2年間で打ち込める方 (平日は1日2.5時間・土曜日は8時間平均で週20時間、年間50週で1000時間、2年間など。実習や国試勉強の都合に合わせて増減は可能ですが、totalで大学院1年分を確保する必要があります)

なお実際に受け入れられるかは他のラボへの希望者も含めた本学の審査結果次第となります。

研究指導体制・卒業後の進路

学部生ですが、大学院博士課程1年次に準じてより高度な指導をします。また当研究室が大学院生を対象にして行っている勉強会にも積極的にご参加いただきますし、大学院生と同等に各種学会発表も支援します

初期研修をしてから大学院に入る場合は大学院は原則3年(初期研修2年+大学院3年で最短で学部卒業後5年で博士号)ですが、本学大学病院と清水研が連携した基礎研究医プログラムもあり初期研修と同時に大学院に入学するということも可能です。その場合は学部卒業後4年で博士号を目指せますし、学部5・6年でお給料をもらいながら1年相当の研究をし、研修医の2年間でお給料をもらいながら1年相当の研究をし、残りの大学院2年間 (博士3年4年) で外勤に出ながら博士号取得を目指すことになるので、経済的な心配をせずに最短で博士号をとり世界に羽ばたくことができます

希望があればMD-PhDコースも利用可です。

いずれの進路でも、研究者養成コースの出身者は博士号取得後に特任助教として3年分の雇用は保証されているので、その間にさらに研究業績を上積みし、ドライもウェットもできる稀有な医師・医学者として次のポスト (国内の他機関や海外留学等) へステップアップできます。

ご不明な点は何なりとお問い合わせください。