清水研とは (学生さん向け)

データサイエンスで、未来の医療を創る。私たちが目指すことを一言で言うとこのようになります。今日の医学をもってしても、まだ治療法がない病気や、そもそも原因すら分かっていない病気はたくさんあります。あるいは、医療のまだ未解決な問題もたくさんあります。そして、医学やそれを支える基礎学理としての生命科学、あるいは応用的な観点では治療法としての医薬品・医療機器の開発、こういった領域を担う次世代の研究者・研究医の育成にも力を入れて取り組んでいます。

Science Tokyo(東京科学大学)国際医工共創研究院M&Dデータ科学センター、および大学院医歯学総合研究科(医学系)に所属するAIシステム医科学分野(清水研)は、これまでの研究実績(過去)、充実した研究環境(現在)、そして同じ方向を目指して将来にわたって支え合える仲間たち(未来)を大切にしている研究室です。手厚い教育体制とリソースのもとで、アカデミアや医療・産業界で活躍する次世代の医療者・医学薬学研究者を本気で育てることを目指しています。医学・生命科学と数理情報科学をしっかりと身につけ、自ら研究を進められる自立した研究者として世界へ羽ばたいてもらうことが、私たちの願いです。アインシュタインやワトソンやヒントンのような天賦の才能はなくても、研究者になりたい、次世代の医療を創りたいという強い思いがある方にこそ、ぜひ来ていただきたいと考えています。

また、東京科学大学・新産業創成研究院の所属でもあり、学術研究はもちろんその社会実装にも非常に力を入れています。独自の知財 (国際特許) を複数有する他、企業様との産学連携も盛んに行っていますし、起業家志向のメンバーも在籍しています。

私達の研究室の最大の特徴は、一人ひとりの学生さんがすでに大きな成果をあげていることです。例えば、学会発表をすればみんな多くの学会賞をとってきます (学部生さんも、文系学部出身の方も!)。まだできて日が浅い当研究室でこのようなことを達成できているカラクリは極めて単純で、それは研究はもちろん、教育の力です。教育の力で世界に伍する実力を涵養する、それが清水研の大きな特徴であると考えています。

At a Glance 2025–2026

数字で見る清水研

2022年に生まれ、2023年に最初の大学院生を迎えたばかりの若い研究室です。
直近2年間に学生・若手研究者が主役になって積み上げた成果と、これから長く続いていく研究室の今をお伝えします。

21件
学会賞・発表賞
12名が受賞。分子生物学会・バイオインフォマティクス学会・CBI学会・メディカルAI学会など
Conference awards, won by 12 different members
17本
メンバーが筆頭著者の論文
学生のうちから筆頭著者として成果を世界に発信し、次のキャリアに飛躍できます
Papers and preprints, first-authored by lab members
104件
学会・シンポジウム発表
学生・若手研究者が筆頭の発表。招待講演もたくさんあります
Presentations led by students and early-career researchers
8名
給付型支援を新たに獲得
学振DCや、JSTのSPRING・BOOST、そしてScience TokyoのCSは、どれもそれだけで生活できる水準の経済支援。アルバイトなしで研究に打ち込めます。
Members newly awarded competitive fellowships
16件
進行中の競争的研究費
内閣府・文部科学省をはじめとする国や民間財団の、厳しい審査を勝ち抜いた研究費。全国的に見ても研究資源に恵まれた環境で、スパコンから実験・ロボットまで、思いついたアイデアをすぐに試せます。
Competitive grants that make for an exceptionally well-resourced lab
5名
学部生が学会デビュー
学部生のうちから全国規模の学会で研究発表。オンライン研究で参加する他大学の学生も
Undergraduates presenting at national meetings

なぜ異分野融合が大事なのか

清水研は医学・生命科学・数理情報科学の3つを1人ひとりの中に打ち立て、自ら問いを立て、自ら解ける研究者を世界へ送り出す研究室です。これまでの専攻は問いません。問うのは、未来の医療に挑む情熱だけです。

私 (清水) は医学部を卒業してから、ずっと医学部の「外」で鍛えられてきました。大学院では理学・工学・薬学・農学出身の叩き上げの研究者に囲まれ、留学先のハーバードやMITでは数学・物理・化学・情報出身の仲間が多数派でした。そこで痛感したのは、未来の医療を創るには一つの専門だけでは足りない、ということです。長い年月をかけ、これまで数多くの諸先輩方がさまざまなことを解明してきましたが、それでもわかっていないこと・できないことはたくさんあります。これまでの伝統的なアプローチでは解けなかった難問しか残っていないといっても過言ではありません。その境界を超えることが、未来の医療を創るために必須なのです。それにこれから数十年にわたって研究等に携わる上で、変化の激しい時代だからこそさらに新しい発想や手法が次々に出てきてこれまでの常識を刷新するでしょう。そういった新しい分野の技や考え方の本質を捉え自身の研究にいち早く応用する土台を作るためにも、今のうちから複数の分野の考え方やアプローチを柔軟に使いこなす訓練をする必要があると考えています。

今は治せない病気を、治せる未来へ。 境界を越える者が、未来の医療を創る。

清水研は、私が長い回り道をして身につけたことを、次の世代が最短で学べるように設計した研究室です。才能ではなく、情熱と覚悟を持つ人が世界レベルの研究者へと育つ場所。それが私たちの目指す姿です。

清水研の学生さんの大きな特徴

博士課程の学生さんへの経済支援

博士号取得に向けた大事な修行期間である大学院時代に研究に専念できるよう、博士課程学生は月16万円 (4年間、総額768万円) または月20万円 (2-4年生の3年間、総額720万円) または月30万円 (2-4年生の3年間、総額1080万円) の経済支援を受けられる可能性がありますし、当研究室は採択率が非常に高くノウハウの蓄積も群を抜いています 。また、その他給付型奨学金の情報もラボ内ページで随時シェアしています。また、当分野では大学院生を対象にした独自の生活費援助を用意しており、規定を満たす方は積極的にTA/RA等として採用しています。学費の足しになりますし、何よりTA/RA採用は職歴になるので履歴書の観点からも有利になります。

現在のアカデミア志望の学生たちは清水研から全員何らかの支援を受けている状態になっています。

卒業までに1,000万円を超える大型の給付型奨学金を勝ち取った当研究室の大学院生たち。歴代の学長先生のお写真が飾られている格式高い特別会議室で、採択学生たちを代表として当研究室の学生が挨拶を行いました。清水研はScience Tokyoで最も採択率が高い研究室の1つで、アカデミアを志望する学生たちは全員何らかの収入がある状態になっています。

これを可能にしているのがライバルの学生さんを圧倒する研究実績を出すことや素晴らしい申請書を書くためのノウハウ・独自のプレゼン練習会であり、その土台となっているのが清水研が誇る随一の再現性の高い教育システムなのです (後述)。

何を研究しているのか

「データサイエンスで未来の医療を創る」を合言葉に、ドライ(データ解析)を主軸に置きながらウェット(実験)と臨床を融合し、今の医学では分からないことを解き明かして、病気の予防・診断・治療法を生み出します。大規模にデータを測り、データサイエンスで仮説を立て、実験や臨床で確かめる。この「三位一体研究」のサイクルを回し続けることが、インパクトのある医学研究の土台です。

清水研で活躍できる学生さんのイメージ (クリックすると詳細が表示されます)

【研究のタイプ】特定の生命医学対象(例:癌ゲノム、メタゲノム、臨床データ)を設定し、世界中に溢れているデータを解析し新しい生命医科学の発見やエンジニアリングによる創出 (創薬も含む) を行うことを目指す。技術開発が目的ではないので、使えるツールなどは積極的に利用する(ただし不足している技術は開発を行うこともある)。

【向いている人材】生命科学(特に分子生物学)が大好き、『ワクワク』した気持ちになれる人

【必要なこと】最新の生命科学の論文(Nature,  Science,  Cellなど)をどんどん読む。Linux上で生命科学のデータ解析を行うためのやり方(特にPythonを使ったプログラム) を学習。情報技術・アルゴリズムをまずは広く浅く理解するが、自分が利用するツールで使われているアルゴリズムの特性は理解する

【研究のタイプ】生命医学データを効率的に解析するための基盤技術を開発し、技術の立場から生命科学にブレイクスルーをおこすことを目指す。情報科学分野(AI・機械学習・深層学習・データマイニング等)の最新動向をキャッチし生命科学や医療分野に応用をする。

【向いている人材】プログラミング、数学、物理が得意。論文で発表されているアルゴリズムや方法を実装するのが好きな人。

【必要なこと】最新の情報科学、特に主要な国際学会(NeurIPS,  ICMLなど) の研究をフォローする。アルゴリズムを実装するために必要なプログラミング言語の能力をつける。バイオ系はまずは広く浅く身につける

【研究のタイプ (間)】必ずしも上の2つにきれいに分類できるわけではないので、その間の立ち位置で研究を行うことも可能

【研究のタイプ (両方)】両方をできる人材は現状極めて少ないため,研究・企業から引く手あまたです。

バイオインフォマティクスやAI、数理モデルや統計学といった情報科学を共通の土台として、生命科学や合成生物学、NGSの技術開発から、がん・感染症・生活習慣病・免疫・神経といった疾患研究まで、50を超える共同研究チームとともに進めています。長期の目標がぶれなければ、短期の変化は研究の広がりになる。そう信じて、新しい技術を常に取り入れ続けるチームです。

多くの読者を持つハイインパクトなNature GroupやCell Pressなどに、これまでたくさんの学術論文を発表してきており、現在進行中の研究も順次論文化していきます。

教育哲学

清水研の目的は、一流の研究をすることだけではありません。しっかりとしたサイエンスをしながら、次世代のスターを育てること。そのための考え方は、三つに集約されます。

ボスではなく、メンターである

細かな指示を出して管理するのではなく、人を育てることが私たちの仕事です。テーマは最初こそ一緒に決めますが、研究の主役は学生本人。自分で考え、プロジェクトを動かし、リーダーシップをとる経験を大学院のうちに積んでもらいます。

魚を与えず、釣り方を教える

教員が成果をお膳立てすれば、論文は早く出るかもしれません。でもそれでは、卒業後に一人で研究を続けられません。知識と道具は惜しみなく用意し、研究の企画・立案・実行・発表を一人でやり切れる力を、博士修了までに身につけてもらいます。

狭く深くではなく、広く深く

ルールが変わり続けるこれからの時代、単一の専門性だけで40年にわたる研究者人生を生き抜くのは困難です。医療・生命科学・情報科学という複数の柱を一人ひとりの中に打ち立て、それらを自在に組み合わせる一生ものの知のOSをインストールします 

自分に足りないものを貪欲に吸収し、自分の頭で考え、楽しんで討論し、学んだことを喜んで仲間にシェアする。これが清水研の姿です。→ ラボ教育ポリシー、エッセイ「なぜ清水研は『回り道』を強制するのか」

先輩の活躍と先輩の声

一人のエースではなく、異なる背景を持つ複数の学生が、そろって成果を出しています。それが、仕組みで育てていることの何よりの証拠です。理系のいろいろな学部の方はもちろんのこと、文系学部出身の方も全国規模の学会賞などを次々にとっています。これまでの専攻は関係ありません。

九州大学・生命科学科 出身者 (1期生)
東京理科大学・薬科学科 出身者 (2期生)
東京医科歯科・医学科 出身者 (3期生)
北里大学・薬科学科 出身者 (2期生)
早稲田大学・経済学科 出身者 (1期生)
京都大学・薬学科 (6年制) 出身者 (3期生)

2026年度は、BOOST (博士課程の間に1,100万円ほどの生活費と100万円ほどの研究費がもらえる制度)、SPRING (博士課程の間に800万円ほどの生活費と150万円ほどの研究費がもらえる制度) に、合わせて4名の学生さんが採択されました。日本学術振興会の学振DCにも別の2名の学生が採択されています。当研究室はこういった経済支援に対する採択率がScience Tokyoで最も高い研究室の1つですし、当研究室のアカデミア希望の博士課程学生さんは全員何らかの生活費収入がある状態になっていますが、それは圧倒的に成果を出す仕組み (と実績) が清水研にあることを考えれば至極当たり前のことです。清水研でフルコミットすれば、修士から入る方は博士課程1年目から、博士から来る方は博士課程2年目からこのような競争的でステータスでもある助成獲得がとても高い確率で期待できますし、先輩の採択率が高いからこそ申請書の書き方やスライドの作り方といったノウハウの蓄積、あるいは回し読みによる複数の先輩採択者による的確な添削指導などができます。

当研究室ですでに実績を出している複数の学生メンバーのうち、ご本人の同意をいただけた方だけですが短い「喜びの声」を掲載しております。

先輩の声と巣立った仲間たち

  • 1年前は、本当にこの道でいいのかと毎日不安だった。今なら「迷わず進めばいい」と言える。 — 中西 一貴さん(東京大学 医学部医学科 卒/3期生)→ 全文はこちら
  • 1年目で、論文3報(プレプリント含む)、学会発表5件、受賞2件、学振DC1内定。 — 藤原 嵩士さん(東京大学 薬学研究科 修士 卒/3期生)→ 全文はこちら
  • 修士1年の夏に初の学会・ポスター発表。— インドネシアからの留学生Ricardoさん(Science Tokyo 生命理工学院 卒/4期生・2026年度 大学院入学式 新入生総代)→ 全文はこちら

清水研OBの進路 (の一例)

  • 大野 聡 先生:筑波大学 TARAセンターでPIとして独立(清水研初のPI)
  • 麻生 啓文 先生: ノーベル医学賞を選考する国際的な権威であるスウェーデン・カロリンスカ研究所へ留学
  • 古賀 大介 先生:母校の正規アカデミックポスト (佐賀大学 医学部 教員) に着任

清水研で学べること

「広く、そして深く」という無謀にも思える挑戦を、個人の才能や精神論に委ねません。特別な才能がなくても、本気の情熱があれば世界レベルに届くよう、再現性のある「システム」として設計しています。

私達の研究室では普段の研究活動に加えて、わずか2年でどこに行っても恥ずかしくない研究者にするべく綿密なカリキュラムを組んで応用基礎からエキスパートプラスレベルまで、数々の勉強会を開催しております。数理については大学の教養数学の復習から始まり、2年後には最先端のAIトップカンファレンスに発表された学術論文を読めるようになります。

機械学習や情報科学以外ですと、バイオインフォマティクス全般はもちろん、臨床データ・統計解析や数理生物や計算創薬を学ぶ2年近くにわたる専門の勉強会、生命科学系ではバイブルになっているThe Cellの輪読会や論文に出てくるあらかたの図をまとめて学ぶ勉強会などがあります。

また、医師以外の出身の方にも医学科4年相当程度 (病院実習前の座学修了程度) の医療の基本を身につけていただくために週に3回は「朝活」を開催していますし、国際的な視座を養っていただくために週に1回は英語で全てやりとりする勉強会も行っています。

米国HarvardやMITなど世界のトップレベル大学では大学院時代にcourse work (研究と並行して、異分野の授業をとること、それも2年間と長期にわたる) がごく普通に行われており、それを意識した制度設計になっています。

次世代医療Group, システム医科学Group, メディカルオミクスGroupの3つに分かれ各グループで学生は隔週で研究の進捗を報告しています。討論内容・フィードバックをもとに次の方針を決めています。
大学院生向けの勉強会は毎週複数開かれており、広範な知識や技術を習得します。扱うトピックスは医療、分子生物学(実験も含む)、数学、統計、機械学習、情報科学、量子化学、創薬など多数です。
それぞれ異なる領域からやってきた学生たちはお互いに切磋琢磨し、建設的にdiscussionしながら研究に取り組んでいます。
研究室の論文輪読会の他、オンラインの勉強会も多数展開しており、研究室外の方も参加できるものも複数あります。今のような変化の激しい時代の教育を考えると、昔のように「ある特定の狭い領域の分野の論文しか読んだことない」というのは卒業してから困ります。特に最初の学生のうちこそ、さまざまな領域の論文を読める基礎体力を身につけてほしいと考えています。そのため、当教室では生命科学・医療 x 数理情報科学ならオールジャンルの論文を扱っています。毎回数十名の方が全国から参加しています。
ラボメンバー専用のwebページには、2000ページ近いさまざまな情報・ノウハウが蓄積されており、さらに日々増えています。学んだことは共有する、それが清水研のカルチャーです。これ以外に電子ラボノートもチームメンバー・教員に常に共有し学生さんはフィードバックをもらえる体制で研究をしています。他に特記するべき点として、ラボ内slackには自動化・効率化の仕組みを多数構築し、事務的なことは徹底的にDX化して研究に専念できる環境を目指しています。
定期的にラボメンバー全体で懇親会等もやっています。これ以外に、数人ずつの少人数で週1で「お茶会」があります。清水の予定はラボメンバーに全て公開しており、空いている時間はいろいろなことを相談できるようにしています。

勉強会としては、ラボメンバー全員参加の論文輪読会等と、大学院1/2年目が参加するCS・ML特論という名前のラボ内ゼミが通年であります。

我々の研究室は融合分野を扱っていますので、どんなバックグランドの方にとっても学んでいただかないといけないことがたくさんあります。

医学の基本 (=医学科4年相当)、分子/細胞生物学・遺伝学・生化学等のライフサイエンス、情報科学、数学の基礎 (=旧帝大の理工系学部卒相当)、バイオインフォマティクス、(創薬に必要な領域の) 物理化学・量子化学 etcを全部学んできたという方はかなり稀でしょう。さらに我々の得意とするAI関連領域も、今年出たばかりのICML, CVPR論文なんかを読みとけるくらいの力がある方も少ないはずです。清水研のスタンスは、異分野融合領域 (=「広く深く」の両立が求められる世界) だからこそ個人の独学では限界があるため、集合知での修得を目指しています。

清水自身がこれまで長いこと遠回りをして身につけたことを最短で学べるように綿密にカリキュラムを組んでいますし、それを学んだ学生さん達によって随時アップデートされています。

広く深い知識やスキルを武器に科学研究を楽しんでください!

科学者を目指す徹底した教育

私たちの教育は、大学院合格直後から始まります。合格発表後、入学までの間に、自宅でできる我々のオリジナルプログラミング教材を一通り行うことで、入学する時点で、一般的なバイオインフォマティクスと人工知能プログラミングを身につけます。また、データサイエンスにおいて非常に重要な意味をもつ統計学についても、指定した本を自習することで、バイオ・医療系のデータサイエンス研究に必要な基礎力を身につけていただきます。

入学後、最初の2ヶ月はオリエンテーションを行い、データサイエンスと生命科学実験の両方の初歩を学んでいただきますし、入学後の1年間は集中的なゼミを用意しています。当然ながらオリエンテーション以外にもさまざまな成長の機会があります。定期的な進捗報告ミーティングを通じて思考力・実践力を養います。勉強については、自分自身でテーマに関連する論文を読むのみならず、医療や生命科学・情報学・数理科学といった広い関連領域を論文抄読会・技術勉強会で学びます。さらに我々が提供する1万ページにも及ぶ自主学習甩資料、それに最新論文やリソースが毎日シェアされるslackがあります。

学生として「教えてもらう」という立場だけではなく、ラボポリシーにも記載の通り自ら主体的に学びそれをシェアすることが求められます。情報の流れの中心である東京にいることで数多くの勉強の機会もありますが、積極的に発言する訓練をすることで国際スタンダードを養います。

少なくとも2年に1本の学術論文を筆頭著者として発表し、さらに他のプロジェクトに参加することで共著論文を増やしつつ共同研究のやり方を学びます。博士号をとるまでには、研究の立案から論文執筆までの全てを1人でも行える自立した研究者に育てます。

「マイプロジェクト」奨励

もちろん最初は相談の上で我々がテーマを設定しますが、研究者を目指す上で大学院時代にテーマの設定から携わったマイプロジェクトをやり切る経験は非常に重要と考えています。

半年ほど経験した時点での自分の興味を清水らとディスカッションし大枠を決め、先行研究をたくさん調べて現状の課題を浮き彫りにし、科研費の申請書形式でマイプロジェクトを清水はじめスタッフに自ら提案していただきます。

もちろん初めて書いた申請書がそのまま採択されることなどありえません。建設的なフィードバックをたくさん受け、数ヶ月ほどかけてマイプロジェクトと向き合って洗練させ、教員のGOサインが出てスタートです。

自分主体で先行研究をいろいろ調べ、批判的に吟味してそれらの課題を浮き彫りにし、自分の頭でアプローチを考え、将来的に必要になる申請書作成に速いうちから取り組み、それを分かってもらえるようにプレゼンするという研究開始前に必要な能力を全て養うことができます。これらの力は博士号取得後に大いに役立つことでしょう。あわよくば複数の論文になる可能性があるだけでなく、複数のテーマを持つことで精神的に安定するという効果もあります。

また、マイプロジェクトに関してはその計画書を若手研究者向けのグラントに実際に申請する機会があるため、採択にせよ不採択にせよ、学生時代からグラント申請に挑戦するというまたとない経験や審査員からの貴重なフィードバックを得ることができます。多くの研究室では学生時代に自分が0からテーマを考え、しかも研究費獲得に挑戦する機会はそうそうありませんので、大いにadvantageとなるでしょう。

多くのコラボレーション機会の提供

当研究室は現在急速な拡大期にあり、本学で最も成長率が大きいラボの1つと言っても過言ではないでしょう。

教員・ポスドク・大学院生・常時出入りする学部生・その他スタッフを全員合わせれば、今後2年のうちに30人規模になる見通しです。すでに本学M&Dデータ科学センターの中では最も大きいラボになっています。優秀で意欲的な学生さんが多いということは、日夜切磋琢磨し建設的な討論ができます。それらの同志との関係は、清水研にいる数年間だけで終わるものではなく、今後数十年にわたってみなさんの拠り所の1つとなるでしょう。

またさまざまな共同研究の機会もあり、当然ながら共著論文も数多く発表できるでしょう。当研究室は国内外のアカデミア、企業、あるいは医療機関様と50を超える共同研究を推進中です。典型的な清水研の大学院生は、博士号取得までに、少なくとも10本の論文発表と、20回の学会発表を経験することになります。

自身の研究を進めるのはもちろんのこと、こうした数多くのコラボレーションを経験する中で、さまざまな領域の方とつながり今後のキャリアを大きく開拓していくことが可能になります。

この先を生き抜く武器を伝授

データ科学を学ぶ最も良い方法は、最初から優れた計算環境を使うことです。バイオ系に特化した国内最高レベルのスパコンSHIROKANEの最上級モードと、東京科学大学のTSUBAME 4.0が利用可能です。A100だけでなく最先端のGPUであるH100をたくさん使ったAIのトレーニングなども可能です。実際、我々の研究室のメンバーはこれらのスパコンを縦横無尽に使いこなしながら研究をガンガン進めています。さらに、数値計算処理システムであるMATLAB、創薬計算化学ソフトMOE、その他多くの有償ソフトも導入しており、現在は試験的に使用している量子コンピューターを将来的には本格運用させることも視野に入れています。このように、我々は国内最高レベルの計算環境を保持しています。最初から恵まれた計算環境を使ってトレーニングすることで、データ科学の習得も格段に早まります。

また、スキルは掛け算という言葉もありますが医療もバイオテクノロジーもコンピューターテクノロジーも分かるという人は現状皆無なので卒業後も多方面から重宝される貴重な戦力となるでしょう。私たちは一通りのバイオ系の実験を行える設備を用意しており、また医療の研究を行っているので、多くの研究室とは異なりどれか1つのみではなく3つの武器をいずれも習得することができます。次のステップへ羽ばたく上で大きな後押しとなること間違いありません。

研究環境

清水研は東京のJR御茶ノ水駅から徒歩5分の立地におよそ250平方メートル (150畳換算) の研究スペースがあります。AI・データ解析を得意とするラボでありながら、実験室と臨床現場まで一つにつながっています。マクロな患者さんのスケールから分子のミクロなスケールまでを行き来できるのは、情報系の研究室としては珍しい清水研の強みです。

バイオ系に特化した国内最高レベルのスーパーコンピューターSHIROKANEとTSUBAME 4.0があり、たくさんのGPUを使ったAIの学習も可能です。MATLAB・MOEなど数値計算・化学計算のための有償ソフトや、量子コンピューターへのアクセスもあります。また、ラボ併設の生命科学・創薬実験室では、分子や細胞を扱うほとんどの操作ができます。AIに与えるデータをとることも、あるいはデータ解析から見出したことの検証もできます。また、実験自動化ロボットや、学内で清水研にしかない創薬機器もあります。徒歩圏内の共同研究者とともに、組織透明化・大規模イメージング、オルガノイド、マウス実験、有機合成なども遂行中です。

さらに、2025年からは生命科学・医学研究のためのロボット科学センターが東京科学大に設置され、清水の大学院時代の指導教員である中山敬一 博士がロボットセンター長に就任しました (ニュース動画を右に示しています)。

ロボットセンターとの共同研究も遂行中で、徒歩10分という近接した場所にあることから、希望者の方にはロボットも含めた実験・AI融合研究にも取り組んでいただけます。

PIの清水自身が現役の医師であり、また大学病院がすぐそばにあるため、医療現場との連携も比較的容易です。例えば、東京科学大学病院では現在9万症例ほどデータ等の提供に関する広範同意をいただいた方が集まっています。日本の大学病院の中で、Science Tokyoは最も医療データの社会還元にcommitしている病院の1つです。

また、東京にあるという立地からさまざまな研究会・勉強会・交流会に参加できる機会が豊富にあるのですが、社会実装という観点からも企業の本拠地が東京に多いという関係から産業界ともさまざまな共同研究がございます。

このように清水研では研究をする上で最高の環境を整えています。百聞は一見に如かず。ホームページに書けないこともありますので、見学でぜひご覧になってください。

清水研にご関心がある方へ

私たちの研究室は旧・東京医科歯科大学が母体ですが出身学部は全く問いません。医療系学部以外の方も入学可能ですし、メンバーの出身学部は医・歯・薬・理・工・農と理系のほぼ全ての領域から来ています。むしろ理工系出身で未来の医療を創りたい方は大歓迎です。理系だけでなく文系学部出身者の方も受け入れ実績があります。

医歯学系の方はもちろん、チームに新しい知見をもたらしてくれる医歯学以外の領域を専攻してきた方・学外出身の方・外国籍の方を大歓迎します。今は生命科学・医療・情報科学に自信がなくとも、みっちりと修行していただきます (笑) ので大丈夫です。「人財の多様性」が私たちの研究室の揺らぐことのない基本理念です。

「情熱にまさる能力なし」ともいいます。必要なのは、私たちのラボ教育ポリシー・研究ポリシーへの理解と熱意、そして広義の意味で「データサイエンスで未来の医療を創る」ためにcuriosityドリブンで探求し続けることだけです。高い志をもつ研究仲間と出会い、自由な発想で新しい世界を創造して、次世代の医療に夢と希望をあたえる大発見をしましょう!

メニューバーにもあるJoin Usをお読みいただき、お気軽にご連絡ください。このページにも概要をお示しします。

学部生のみなさんへ

学部生のうちに筆頭著者として英語論文を書くことは十分に可能です。慶應義塾大学医学部の学生がオンラインで半年かけて書き上げた論文は、PNAS Nexus誌に掲載されました。いまは東京科学大だけでなく、東大・京大・北里大・浜松医大・山形大などの学部生が、対面またはオンラインで研究しています。

  • 本学の学生:プロジェクトセメスター、研究実践プログラム
  • 他大学の学生:オンライン研究制度、Biomedical Data Science Club(オンライン論文輪読会)
  • まず体験したい方:Open Lab、バイオメディカルAI 体験コース/春の学校/夏の学校

修士・博士課程を目指すみなさんへ

清水研は学部とつながっておらず、内部進学者は一人もいません。全員が学外や他学部から外部進学してきた仲間です。受け入れは修士・博士あわせて毎年最大8名です。

  • 4年制学部卒:修士課程(2年)→ 博士課程(4年、早期修了で3年も可)
  • 6年制学部卒・修士修了:博士課程から
  • 本学医学科4・5年:MD-PhDコース
  • 取得できる学位:修士(医科学)、博士(医学・学術・数理医科学の中から希望のもの)
  • 出願には事前の面談が必須です。現在、2028年4月入学の第6期生を募集中

清水研ではみな非常に研究のactivityが高いです。特定のエースでなくてもみんながこれをやってのける再現性の高いシステムを樹立しているところが清水研の大きなポイントです。もちろんライバルを圧倒する実績を清水研であげることで、卒業後のキャリア形成に大きな追い風となるでしょう。

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清水研の学生が博士課程在学中に出す筆頭著者論文数 (中央値)
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清水研の学生が博士課程在学中に経験する学会発表数 (中央値)
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清水研に2年以上在籍するアカデミア志望の博士課程学生の学振DC等の給付型奨学金獲得率 (実績値)
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研究職を希望する博士課程卒業生のjob hunting成功率 (創設3年でまだ博士卒業生不在の為目標値、鋭意努力中)

ポスドク先を検討しているみなさんへ

これまでの専門性に、新しい専門性を掛け合わせたい方に最適な環境です。清水研で研究したOBからは、すでにPIとして独立した方や、大学の正規教員になった方が出ています。

  • プロジェクト研究員:文部科学省 AI for Science事業(ARiSE)の2課題(生成免疫学・ペプチド創薬/病理など医療画像の形態学的デジタルツイン)。数理情報科学、または生命科学(医療を含む)・有機化学でPhDをお持ちの方
  • 学振PD:自分のテーマで3年間飛躍したい方。申請書の構想段階から支援します。2027年4月には2名が着任予定、2028年度着任の方を募集中
  • 応募はCV・志望理由・これまでの研究の概要(いずれも自由形式)を清水宛にメールでお願いいたします

医療従事者・社会人のみなさんへ

臨床や他機関に軸足を置いたまま、データサイエンスを身につける道もあります。

  • ダブルメンター制度:他大学・医療機関の博士課程学生が、オンラインで情報科学を副専攻に
  • 基礎研究医プログラム:初期研修と大学院を並行
  • 社会人大学院(若干名、受け入れ要件あり)

年間スケジュール(例年の目安, 詳細は必ずご自身でご確認ください)

研究室見学・面談は学部生, 大学院希望者, ポスドク希望者など問わず通年で随時希望者の方に行なっています。いつでもご連絡ください。ご参考のために、諸々の例年の締め切りはこのようになっています。

  • 5月上旬: 基礎研究医プログラムの出願締切(事前の面談が必要)
  • 5月中旬: 学振PD申請書提出締切(事前の面談・discussionが必要)
  • 6月下旬: 修士課程の出願締切(事前の面談が必要)
  • 7月下旬: 博士課程 (1次募集)の出願締切(事前の面談が必要)
  • 8月上旬: 修士課程入試
  • 9月下旬: 博士課程 (1次募集) 入試
  • 11月中旬: 博士課程 (2次募集) の出願締切 (事前の面談が必要)
  • 11月下旬: 次年度メンバーのオンライン顔合わせ
  • 2月上旬: 博士課程 (2次募集) 入試