データ科学 x 生命医学界の次世代スター集まれ!!
学部生のみなさん、まずは授業とは関係なく意欲的にこのページをご覧いただきありがとうございます。私・清水が医学生の頃はキャンパス内に情報系の先生はおらず、大きな本屋さんに行っても日本語で書かれたPythonの本がなかったことを考えると、今の学部生さんは非常に恵まれた環境にいると思います。しかしながら、数理・情報学をずっとやっている先生か、それともバイオ・医療系のベテランかのどちらか一方が専門の先生がほとんどであり、生命科学・医療とデータサイエンスの3つに長けた先生はまだ多くありません。私は医師であり生命科学実験で博士号を取得しその後データサイエンスで複数の研究を論文として発表してきており、米・ハーバード大留学時代もシステム生物学部門というところで数理情報学と生物学の融合分野を研究してきました。
他の教授に比べ学部生のみなさんとは年が近いため、あまり形式ばらず、部活のちょっとした先輩後輩感覚で接点を持てればと思っています。他のベテランの先生方にはなかなか教えることが難しい領域が得意なので、学生さんは数理・情報学と生命医科学の融合領域を学び、次世代のスターになるための基礎を築くことができます。
それを支援するために、学部生を対象にしたバイオメディカルデータサイエンス勉強会も用意しています。こちらは東京科学大学だけではなく他大学の学生さんも在籍しているアットホームな勉強会です。オンラインですので、東京以外の場所にお住まいの学生さんも参加できます。東京近郊にお住まいの方には、この勉強会に加えて、AIの実装 (プログラミング) を鍛えるAI実践道場U-Netも提供しています。
東京科学大学に所属している学生さんは、研究実践プログラム、プロジェクトセメスター・研究実習はもちろん、授業以外でも自主的に随時当研究室に所属することが可能です。清水は2年生の春から研究室に所属して研究をさせていただいていましたし、さらに言えば1年後期から情報学のラボの論文抄読会に参加させていただいていました。意欲さえあれば、入学したての新入生から受け入れます。朝晩といった授業がない時間帯、土日祝日、長期休みなど、学部生さんならではの時間帯で一緒に研究・勉強できると思います。情報系の理論が好きな人、プログラミング・実装が好きな人、生物学に興味がある人、実データ解析が好きな人、などなど多くのタイプ学生が活躍できるチャンスがあります。
東工大に所属する学生さんを対象にしたコースもあります (詳しくはこちら)が、医科歯科・東工大以外の学生さんでもオンライン研究が可能です。事実、他大学の医学科の学部生2名はそれぞれ筆頭著者としてまもなく英語の学術論文を国際誌に発表します。
当研究室で1年間熱心に取り組んだ学部生さんが感想文を書いてくれたので、本人のご厚意に甘えて原文のままご紹介します。
この1年間を振り返っての感想文を書くにあたって2023年度を思い返してみると、実に多くのことがありながらもあっという間に過ぎたというのが率直な感想です。そして清水研での活動がその中心と言っても過言ではないほど多くのことをラボで勉強・経験させていただきました。
4月になるとそれまで1人で学ぶことが主だったのが、1期生の方々とラボ内の勉強会やJournal Clubで一緒に勉強するようになりました。皆で何時間も教え合っても読めているのかよくわからないような状態だった初回のJournal Clubの準備会と比べるとこの1年間で随分と多分野の論文読解力が身に付いたと感じます。平均して毎週2回の勉強会は大変ながらも大学院生の方々と何とかコンプリートし、バイオロジーや実験のプロトコルなどの生命科学から数学、情報学、機械学習の深い理論など多彩な分野に触れることが出来ました。来年度は今年学んだ内容を必要に応じて復習しつつ2年次の勉強会も引き続き参加しながら、自分が幹事を務める学部生の勉強会も頑張っていきたいと思います。
そして5月末からのプロジェクトセメスターが始まると勉強会に加えて研究も本格的に行っていくこととなりました。目の前の作業・実験に没頭するだけでなく行っている研究はどのようなインパクトがあるのか・あるべきなのかを考えることや、それを適切にアピールするための発表の仕方・論文の書き方に試行錯誤しながらも、それらについての手厚いご指導のおかげで12月の分子生物学会での発表も無事行うことが出来、基本的なサイエンスのリテラシーを身に着けながら研究を進めることが出来たと感じています。来年度は今行っている研究の成果をより形にしながら新しいテーマやウェット実験等に挑戦していきます。
清水先生をはじめとするスタッフの方々や大学院生には勉強会や研究をはじめとしてそれ以外の部分でも非常にお世話になりました。清水研の皆さんとの交流があったからこそ清水研の一番ハードな時期や学部との両立が難しい時期も続けられたと思っています。来年度は2期生の方々や他の学部生にとって自分がその様な存在になれる様心がけていきます。
清水研は研究を軸としながらもそれ以外にも非常に多くのことが勉強でき身に付くあまり他にないであろう環境だと思います。本文を寄せるにあたり、清水研での今後も楽しみつつ自分がよりよい場所に出来る様尽力することを決意するに至りました。
学部生として参加するには次の5つの形態があり、現在およそ40名が何らかの形で勉強・研究に清水とともに取り組んでいます。下記のいずれかをタップしてください。
オンラインの勉強会には、27大学から50名が集まっています。東京科学大学の学生さんも他大学の学生さんも分け隔てなく一緒に勉強しましょう。
2週に1回を目処にzoomで集まり、年が近い学部生同士で勉強会をしています。それ以外にslackでさまざまな情報をシェアしています。
東京近郊の方で上述のオンライン勉強会メンバーの方は、本学の学生でなくてもAI実践道場U-Netにご参加いただけます。
また、これは東京科学大の学生さん限定になってしまうのですが、授業とは関係なく随時 (例えば放課後とか土日とか) に当研究室がある駿河台キャンパスに通ってデータ科学やシステム生物学の勉強・研究をすることもできます。また週に1回くらいの学部生だけの勉強の機会 (お茶ノ水地区の駿河台キャンパスで対面) も提供します。
現在の知識やスキルは不問ですが、「情熱にまさる能力なし」という言葉もあるように、ひたむきに研究に取り組みたいという強い意志がある方を期待しています。学生用の部屋を用意していますし、当研究室には300冊を超える書籍等もあるので自分のペースで通ってそういった教材から学ぶことができます。医学科だけでなく全学から受け入れしており、数名の学部生さんがこのパターンで在籍しています。学部生のうちに、こちらのように日本バイオインフォマティクス学会の公認資格を取得した人もいます。
研究室からは、先輩学生 (昨年までに在籍している学部生) による週1くらいの学部生のためだけの勉強会やプログラムハンズオンの機会を提供しますから、これは原則的に参加してください。月曜日19時です。
医学科には「研究実践プログラム」がありますが、このプログラムで来ることもこれとは無関係に来ることもできます。
学部2年生でやってきて、それなりに (例えば1日3時間 x 週3とか) 打ち込む場合には、6年間の卒業までには筆頭著者として国際誌に発表できると思われます。国内学会発表は複数回のチャンスがあるでしょう。熱意がある方には研究法を指導しますし、学部を卒業する頃には十分な実績を得ていただくことができます。コンピューター解析だけでなく、希望者には生命科学実験とのハイブリッドテーマをしていただくこともできます。
熱意があれば学部1年生から受け入れできるので、これから勉強したいという方でも遠慮なくお問い合わせください。
東京科学大学の学生さんは授業の一環として当研究室を選択することもできます。
例えば医学科4年生のプロジェクトセメスターは半年に渡って研究を体験する期間ですが、当研究室で集中的に研究に打ち込んで学会発表・論文発表を目指すこともできます。学部生のうちに、こちらのように日本バイオインフォマティクス学会の公認資格を取得した人もいます。
若い学部生の頃に研究室に出入りすることで、論文の読み方、論理思考、データサイエンスや生命医学領域の考え方・技術の基礎が身につき、それらのポータブルスキルは将来どこにいっても役に立ちます。さらに、学部生でもやる気と能力があれば、最先端の研究を行い学会発表や論文発表を経験できるチャンスがあります。
当研究室に学部生として所属するための条件は、たった1つだけです。
- 自ら貪欲に学び続け、また学んだことを仲間同士でシェアしさらに高め合っていけるような向上心と協調性のある方
さらに、
- 少なくとも2年に1回の学会発表をする意気込みがある方
- 学部卒業までに1報の論文発表をする意気込みがある方
は特に大歓迎いたします。
私は意欲的な学生さんのキャリア形成を全力で支援してきました。
例えば九州大学にいた頃、医学部3年生を指導してデータサイエンスの内容で分子生物学会 (生命科学系でもっとも大きい学会) で発表してもらった経験があります (詳しくはこちら)。(旧) 医科歯科大学に異動してからは上記勉強会や学部生のオンライン研究指導で論文投稿の経験も複数あります (詳しくはこちら)。
また、清水自身も学部生時代に基礎医学系の研究室に足繁く通い、筆頭著者として英語論文を発表しています (Shimizu et al., Biochem Biophys Res Commun. 2011)。
学部生のうちに将来のキャリアを見据えて自己投資をするのはとても大切なことです。私たちも、意欲的な学生さんには全力で支援させていただきます。志が高く優秀なみなさんとご一緒できるのをとても楽しみにしています。