このページでは当研究室のJournal Club (JC) で紹介された論文と概要をまとめています。私たちのJCの最大の特徴は、担当者が行うのは背景の説明まででありFigureの説明を行うのは大学院生+学部生であることです。当然ながらFigureを人に説明するためにはしっかりと読み込んでいなければできないのですが、それを毎回のJCで担当するという負荷をかけるうちに、短期間で論文を読み解く実践力を身につけることができます。また、どうしても新入生はJC等でも先輩方の議論についていきにくいもの。そのため、当研究室ではJCの前にpre-JCという1年目の大学院生+学部生のみを対象にした事前勉強会を開催しており、tutorの教員1名とFigureの解釈について議論しています。同じ1年生しかいないからこそ、「恥ずかしくて聞けない」という心配なく分からないところをお互いにシェアして学び合うことでJC前の基礎体力づくりをしています。
第1回: 大野担当. Genome-scale metabolic reconstruction of 7,302 human microorganisms for personalized medicine. Nature Biotechnol. 2023
膨大なバクテリアのゲノムスケールモデルを構築し、それを使って個人ごとの薬の効きやすさ等の個別化医療への応用性も示した論文。論文要約およびJC討論事項のサマリーはこちら。
第2回: 清水担当. Enzyme function prediction using contrastive learning. Science 2023
酵素の機能をアミノ酸配列のみから予測する教師あり対照学習ベースの手法CLEANを開発し、それをアノテーションが不十分な一連のhalogenaseにあてはめ、予測を実験的に検証した論文。論文要約およびJC討論事項のサマリーはこちら。
第3回: 古賀担当. Comparative analysis of cell–cell communication at single-cell resolution. Nature Biotechnol. 2023
1細胞解像度で細胞間コミュニケーションを検出する手法を開発し、腫瘍微小環境内T細胞やハンセン病等のデータに適用し実証した論文。論文要約およびJC討論事項のサマリーはこちら。
第4回: 麻生担当. Ångström-resolution fluorescence microscopy. Nature 2023
原子レベルまで蛍光顕微鏡解像度を高めることができるバイオテクノロジーであるRESIを開発し、核膜孔複合体などで実証した論文。論文要約およびJC討論事項のサマリーはこちら。
第5回: 大谷担当. TomoTwin: generalized 3D localization of macromolecules in cryo-electron tomograms with structural data mining. Nature Methods 2023
Cryogenic electronic tomography (Cryo-ET) によって得られるデータを自動的にアノテーションし粒子のpickingができるTomoTwinを開発した論文。論文要約およびJC討論事項のサマリーはこちら。
第6回: 大田担当. Faster sorting algorithms discovered using deep reinforcement learning. Nature 2023
深層強化学習により従来よりも高速なアセンブリ言語レベルのソーティングアルゴリズムを見出したという論文。論文要約およびJC討論事項のサマリーはこちら。
第7回: 伊東担当. Engineered bacteria detect tumor DNA. Science 2023
大腸がんを検知するデザイナーバクテリアを設計したという論文。論文要約およびJC討論事項のサマリーはこちら。
第8回: 大野担当. Learning protein fitness landscapes with deep mutational scanning data from multiple sources. Cell Systems 2023