Journal Club (論文輪読会) へのお誘い

当研究室では非常にたくさんの教育をしておりますが、その一部を知っていただくためにJournal Club というオンライン論文輪読会を限定的に公開し始めました。また、その前の事前勉強会pre-JC (こちらは対面のみ) に1回体験参加することもできます。もしJCに継続的にゲスト参加、あるいはpre-JCに1回体験参加したいという方がいらっしゃいましたら、遠慮なく清水宛にメールをお送りください (メールには今のご所属とお名前を明記してください)。以下、Journal Clubの詳細です。

JCの目標と方法

Journal Club (JC) は幅広い分野の論文を読み、最新の知識と論理的な思考力を身に付けることを目標としています。一流論文から学ぶケーススタディーだとお考えください。本当は研究室のテーマに沿うものをやる方がラボとしてはいいのですが、学生のうちから特定のテーマの論文しか読んだことがないと卒業してから困ります。今は変化の激しい学際的な時代ですので、将来どんな研究をやるにせよ1週間下調べをすればその領域の研究にキャッチアップできる、そんな基礎体力づくりが今の学生さんには必要だと考えています。当教室のJCは学生への教育目的ですので、広範なトピックスを使います。生命医科学 x 情報科学なら何でもありです。参考までに、過去のJCはこちらのページで要旨をまとめています。

方式は、まず担当者が背景を詳細に説明します。その後、担当者とは違う大学院生・学部生が率先して論文の図の説明を行います。それから、全員でディスカッションを行います。「次にどんな実験をするか」、「レフリーの立場に立って、この論文を批判的に解説せよ」、「この論文で最も弱い部分はどこか、そしてそれを補うために何をすべきか」等々、自由に意見を交換します。

たくさんの論文をただ読む (量をこなす) だけでは科学力はつきません。多読と精読の両方がトレーニングとしては必要なのです。JCはこのうち精読を行うための訓練です。日本のほとんどのラボでは、論文輪読会は30分、あるいはせいぜい1時間でしょう。当教室では2時間がデフォルトで、さらに1年次の新人学生さんたちには事前にpre-JC というJCの予習をするmeetingに2時間使っています。新人学生の勉強のために、1つの論文に4時間も仲間や先生たちと討論させてもらえるラボはおそらく清水研しかないでしょう。また、インプットしてもアウトプットできなかったら何の意味もありません。自分の言葉で論文の図を毎週のように説明する訓練の機会をもらえる研究室も、かなり少ないと思います。筋トレでも何でも、自分に継続的に負荷をかけるからこそ成長があるわけです。

参加するには

上に述べたようにJCは学生教育の一環ですので、学生さんのみ募集しています。また、論文を大学院生と一緒に読むにはある程度の素養が必要になること、および最上級生はとても忙しいことを鑑みて、上から2つ目の学年の方のみを募集します。つまり、4年制学部の3年生、6年制学部の5年生、修士課程の1年生です。例外的に、臨床研修はするけどもその後は臨床医ではなく基礎医学・社会医学領域の研究者になりたいと考えている医学科6年生の方も受け入れ可能です。

また、英語論文を読みますのでTOEIC 600相当以上の英語力を持つ方というのも条件とします。 (※それ以外の方はJCには参加できませんが、もしよろしければBiomedical Data Science Clubという学部生〜修士課程の学生勉強会にご参加ください。)

JCは隔週月曜日の16時-18時で行われています。ゲストの学生さんは毎回参加できなくても構いません。また、初回のみ自己紹介 & 簡単なJCの説明のため30分前にお越しいただきます。ラボの大学院生たちはローテーション制で担当が回ってきますが、外部参加者のゲストの方々はdutyはありません。研究者を本気で目指したい学生さんだったら絶対に楽しいこと請け合いです。議論は本来、楽しく、熱いものです。楽しんでディスカッションできれば、さらに嬉しいです。