理工系のための生命医科学入門コース

数学、物理、化学、情報、工学、あるいは人文・社会科学系の学問領域など、いわゆるライフサイエンス系ではない専攻の学生さんを主な対象として、今日の医療の土台になっている生命科学のオンライン集中勉強会を行います。新しい年度が始まる前の春休みの期間を利用して、これまであまり接点がなかったけど強い興味を持っているバイオメディカル領域を集中的に学びたいという学習意欲の高い学生さんを募集しています。現在の所属や専攻は不問です。以下詳細です。

この勉強会の強み:  清水は医師として医療現場での経験を有し、かつ分子生物学で博士号を取得しております。生命科学の学問から医療という応用サイドにいたるまで、そうした専門的な知見を活かして丁寧に補足・説明・質問への返答ができるでしょう。留学時代はMIT (マサチューセッツ工科大学) にも在籍しておりライフサイエンス系出身ではない方が何が分からないかも理解しております。ライフサイエンス系は得てして暗記科目のようにも見られがちですが、独学であるいは大学の選択科目としての履修と異なりこのオンライン集中勉強会は時間が限られることから、初学者の方にとって絶対に理解していただきたい本質に絞って扱います (逆に暗記的要素が強い部分はお話しません)。また、テキストにかかれていないことでも、AlphaFoldの登場など生命科学や医療における情報科学の進展はもはや切っても切り離せません。特に大事な情報科学のトピックスについてもまとめて勉強することができます。より専門的な書籍を読む、論文・総説を読む上でも、ライフサイエンス領域全体を俯瞰した羅針盤が不可欠です。生命医科学の濃縮されたエッセンスをこの勉強会で学んでみませんか?

過去の参加者の声:  経済学部出身の方から「参加者の声」をいただきましたので掲載させていただきます。

本勉強会に参加させていただいた感想としましては、本勉強会には二つの大きな魅力があると感じました。

 

一つ目は、少人数の輪読会というインタラクティブな形式です。本勉強会では講義のように一方的に情報をインプットするのではなく、図の内容を事前に自分なりに理解した上で清水先生と他の参加者の方々に説明する形式になっています。図の説明や参加者の方々との議論をはじめとするアウトプットを主体とした学習は、講義形式の勉強会や独学と比較して学習定着率が非常に高いと感じました。

 

二つ目は、医療・生命科学・情報科学のトリプルメジャーである清水先生による補足を受けながら基礎生物学に関する理解を深めることができることです。勉強会では、テキスト内の数々のキーとなる概念や分子について、データサイエンスを用いた最先端のアプローチや、疾患における重要性など、生物学のみならず医療や情報科学の観点を取り入れた補足をしてくださりました。また、自分のどのような疑問に対しても、非常に丁寧に答えてくださり理解の向上につながりました。清水先生との対話を通じて、指定テキストを通読するだけでは得られない幅広い知識を身につけることができることが、本勉強会の魅力です。

 

私自身も数理・情報科学よりのバックグラウンドから参加させていただきました。研究を進める中で、数理の素養以上に生命科学のドメイン知識が重要であると痛感する場面が多々あったからです。本勉強会は生命科学x情報科学の学際的な研究の遂行を目指す上で必要不可欠なドメイン知識を集中的に身につけることができる非常にいい機会だと思います。生命科学x医療x情報科学の学際的な研究を目指す第一歩として、本勉強会に参加してみませんか?

 

本勉強会への参加を通じて、生命科学や医療分野への理解が大きく深まりました。私は物理学を専門としており、現在は溶液中でのタンパク質の振る舞いに関する研究を行っていますが、文献を読む際や研究結果に考察を加える際に、生命科学に関する基礎知識が不足していると感じることがありました。今回の勉強会を通じて、生命医科学に関する全体像や背景を把握することができ、自分の研究テーマとのつながりもより明確になったように思います。本勉強会の魅力は、大きく二つあります。

 

一つ目は、講義形式ではなく、少人数による輪読会形式で進行される点です。清水先生が指定されたテキストをもとに作成されたオリジナル資料の図を事前に学習し、当日は参加者が順番にその内容を説明していく形式です。受け身の講義とは異なり、自分の言葉で説明することで理解が深まり、記憶にも残りやすく感じました。議論も活発で、わからない部分をその場で共有しながら学べる点も、とても良かったです。

 

二つ目は、医師としての実務経験と情報科学の知見をあわせ持つ清水先生の補足説明が非常にわかりやすいという点です。生命科学を学んでいると、個々の知識が実際の医療や疾患とどう関わるのかが見えにくく、抽象的に感じられることも多いのですが、先生の医学的な視点からの説明により、それぞれの知識がどのように現実の問題と結びついているのかを具体的に理解することができました。おかげで、今後どのように学びを深めていけばよいかという道筋も見えてきました。

 

本勉強会は生命科学のバックグラウンドがない方が、基礎から体系的に学びたいという場合に、本勉強会はとてもおすすめです。これから生命科学分野の研究を始める予定の方や、すでに関わってはいるものの知識の整理に不安がある方にとって、有意義な学びの場になると思います。

「生命医科学入門コース」は、学生が対象の講座ですが、今回は参加者が少なかったということで、社会人にもかかわらず、特別に参加させていただくことができました。

 

この講座は、受講生が先生のつくられた資料を説明するというスタイルなので、しっかりと予習をしておく必要があります。初めて聞く用語も少なからずありますが、講義前でも、Slackを通して先生が質問に答えてくださいますし、講義のときにもしっかりフォローしてくださるので、理解が深まると思います。

 

多くの知識を得られるなら、それに越したことはありませんが、「木を見て森を見ず」というような状況になってしまうのも好ましくないかもしれません。しかし、「いろいろ書かれているが、最低限覚えておくべきはここ」といった具合に、ポイントを絞った解説もしてくださるので、理工系にとってミニマムな知識がどこなのかといったこともわかります。まずは、そこをしっかり押さえたうえで、知識を増やしておくと、全体像を見失うことなく、次の勉強に進めるのではないかと思いました。

 

この講座ですべてを理解することはできませんが、基礎固めとしては非常に有用であると感じました。

日時: 2月中旬から3月にかけて、毎週水曜日18:00-19:30 (1回90分) 、全7回。zoomですのでどこからでもご参加いただけます。

2024年度は

  • 第1回: 2025/2/12 (水) 18:00-19:30
  • 第2回: 2025/2/19 (水) 18:00-19:30
  • 第3回: 2025/2/26 (水) 18:00-19:30
  • 第4回: 2025/3/5 (水) 18:00-19:30
  • 第5回: 2025/3/12 (水) 18:00-19:30
  • 第6回: 2025/3/19 (水) 18:00-19:30
  • 第7回: 2025/3/26 (水) 18:00-19:30

内容: 指定テキスト (基礎から学ぶ 生物学・細胞生物学 第4版) について、事前に指定した図表について簡単にご説明いただき、清水が補足する形式です。実際には、テキストをもとにしたオリジナルPDF資料 (各回20ページほど) をベースに勉強します。限られた時間の中で生命科学のエッセンスを学んでいただけるように構成されています。ライフサイエンス系の学生が学部1~2年年くらいに習うレベルの基礎的な生物学のコア部分 (+ 医療現場での使われ方の補足) とお考えください。

主なキーワードとしては、細胞、細胞小器官、核、セントラルドグマ、転写・翻訳、3次構造、解糖系、クエン酸回路、細胞外骨格、ホルモン、シグナル伝達経路、セカンドメッセンジャー、細胞周期、転座、幹細胞、アポトーシス、がん遺伝子、自然免疫、獲得免疫、ゲノム編集など

対象: 学部1年 ~ 博士課程在籍中の学生。大学での生物学がほとんどはじめてという方を主な対象としていますが、ライフサイエンス系の方が領域全体をoverviewしたいという目的でもご参加いただけるかと思います。

いずれによ、下記の3つを満たすことが必要です。

  • 全7回とも参加できる方
  • 講義ではなく少人数の輪読会ですので、バックグランドの異なる他大学の方を尊重し、また原則としてカメラオンで参加できる方
  • この勉強会は今回が初めてですが、次回以降の改善に向け、簡単なwebアンケートとword 1/3程度の分量の感想文を、全7回終了後2週間以内 (4/9 (水) まで) にご提出いただける方。その感想については、次年度に検討している方への情報提供と私達の活動報告を兼ねて「参加者の声」として匿名の形で当ホームページで公開させていただきます。

少人数でインターラクティブに行うということを重視しているため、最大定員は10名とさせていただきます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。