医科歯科で医療や生命科学を学びたい東工大の学生さん募集中です 先日の東工大と医科歯科の統合のニュースは学生さんだけでなく私たち教職員にとっても電撃的でした。昨今の科学研究は複数の分野が高度に融合してきており、世界に伍する国際卓越研究大学として発展し、その成果を社会に還元するためにはconvergence scienceが不可欠だというのが両学長のお話でした。そこで、試験的な取り組みとして医療や生命科学を学びたいという東工大の学生さんを募集します。東工大の所属であれば、学年や専攻等は問いません。 私たちの強み 医科歯科の中には医療や生命科学のスペシャリストしかいませんが、大多数の先生方は東工大で習うような数理や物理化学・情報科学の視点を持ち合わせていません。反対に東工大の中にも生命科学に強い先生はたくさんいらっしゃいますが、それらの先生方は医師免許やその他医療系の診療現場での経験がない方がほとんどです。私は医学よりも前から数理情報科学に触れており数々の賞もいただいてきました。医師免許をとって研修医も修了し、その後も非常勤ですが内科医として診療に携わってきたので医療のことは理解しています。また大学院時代はいくつかのデータサイエンス論文を出していますが、それとは別に生命科学実験系の論文で博士号をとりました。Harvard留学時代はWyss Instituteという生命工学・合成生物学のメッカにいて、工学を目指した生命情報科学研究に工学博士たちと一緒に取り組んでいました。このように医学・生命科学・数理情報科学のトリプルメジャーである先生は日本国内にはほぼいらっしゃいません。他の先生方と比べみなさんとバックグランドが近いこともあり、多様な見地からより広範な学びを提供できるでしょう。現在の私たちは医療・バイオ・データ科学の融合分野を研究しています。生命現象や病気を数理情報科学を駆使してシステムとして理解し、その知見を創薬として社会還元し、そしてゆくゆくは工学的なアプローチで新しい治療法の開発につなげたいと考えています。この点で東工大の学生さんと興味が最も近い医科歯科所属の医師・医学者です。みなさんとバックグランドや興味に共通点がある医学者・生命科学者だからこそ、先にも書きましたがより効率的な学びを提供できるでしょう。 東京医科歯科大学・AIシステム医科学分野で学べること これまで東京医科歯科大学の学生さんには (学内の制度である) 研究実践プログラム等で直接受け入れてきましたし、他大学所属の学生さんもオンライン研究チャレンジ制度を通じて学会発表・論文発表を後押ししてきました。勉強会としてはBiomedical Data Science Clubで10を超えるさまざまな大学の学生さんと接してきています。これらの経験を生かして東工大の学生さんにもご希望に応じた多様な学びを提供できると考えておりますが、実際のところこちらもまだ手探り段階にあり、どのようなニーズがあるかをつかめていません。東工大キャンパスとの距離もあるので、現状のところは月1程度のオンライン勉強会から始めようかと考えています。教科書の輪読というよりは、実際の生命科学や医療系の学術論文を勉強してもらい、その解説を通して医科歯科が得意とする領域の基本知識や考え方を修得していただき、またみなさんが今学んでいる数理情報科学・工学などとの融合について討論します。もちろん学生さんの希望があれば(医科歯科の) 御茶ノ水キャンパスで直接受け入れたり他大学の学生さんと同じくオンライン研究チャレンジ制度で学会発表・論文発表を目指すこともできるでしょう。他にもそれぞれの学生さんのニーズに応じた学びの機会を提供できると思います。 興味がある東工大の学生さんは清水までお気軽にメールをください。その後日程調整の上で恐れ入りますが1度は御茶ノ水エリアに来ていただき、直接お話しできれば幸いです。お互いの自己紹介、学生さんの興味の方向性やその実現に向けてどのような可能性があるかをdiscussionできればと思います。私たちも、意欲的で優秀な東工大の学生さん方と一緒に学んでいきたいと考えています。