当研究室所属の学生・研究者には、複数の (2~3の) テーマにメインで取り組みつつ、いくつかの共同研究 (主にデータ解析) に携わっていただきます。プロジェクトは興味の方向性やインパクト、当研究室の強み・グラント (予算) 等も加味してdiscussionの結果決まります。

研究テーマの設定に関する方針

学生さんの場合、最初のテーマはこちらである程度の方向性を決めます。その方向性に従って文献調査等を学生さんにしてもらい、詳細をつめるという感じです。また、2年目からは当研究室が取り組んでいる領域に関係するマイプロジェクトを奨励しているので、研究計画書を書いて教員のGOサインが出れば自分が発案したプロジェクトに取り組めます。大学院生として参加したいという方は教育に関するページをしっかりと読んだ上で、こちらのページにある記載事項を網羅してメールをお送りください。必ずお返事します。

ポスドク以上の場合は、テーマは応相談ですが自分で予算 (科研費の若手研究・学振PDの奨励研究費・民間助成などいろいろチャンスがあります) をとっている限りその範囲で比較的自由度高くサイエンスに取り組んでいただけます。研究がうまくいった場合に「送りバント」ではなく「2塁打〜ホームラン」を狙えるものに挑戦してください (うまくいった場合ですらScientific ReportsやBBRCやGenes to Cellsですというような研究提案は受け付けません) 。規模に応じてそのプロジェクトをサポートする技術補佐員や学生もつけます。

逆に、予算を持っていないのに大きなお金がかかる研究がしたいとか、人 (学生など) をつけてほしいというような希望を叶えることは当教室ではできません。博士号をとり一人の研究者になるというのは経済的にも自立するということ、つまり清水の興味の対象と違うことをやりたいのであればグラントをとるところからということです。私は大学院生の頃から独立するまでずっと独自のグラントを絶え間なく取り続けていたからこそ、ボスの研究とは全然違うことも (本業と並行して) 自由にやらせていただきました。学位取得直前直後くらいのみなさんと同じ年代の頃だと、博士号をとって最初の3年で2,000万近く代表者として獲得しています。自由と責任は表裏一体ですので、グラントが取れないうちは博士号を持っていても一人前の扱いはしません。もちろん夜間や土日にやりたいサブテーマとしてプロジェクトをご提案いただくのはwelcomeで、いくらかのサポートはできると思いますが、本務である平日日中に関しては予算がついている複数のプロジェクトや共同研究がありますのでそれらに従事して実績を出し自分でグラントを取ることを目指していただきます。

しばしばいただく問い合わせとして、前のラボで残している研究ができるのかというものがあります。本学のお金を1円も使わないもの (例として本学から給料を受け取っていない学振PDが自分で持ってきたパソコンで完結するデータ解析や論文執筆をするのは本学のお金を使っていないので可) でない限り原則的にはできませんので、前のラボでしっかり引き継いでから来てください。私もラボを何回か移っていますが、前のラボのプロジェクトを持って異動したことは一度もありません。それが何らかの事情で難しい場合には、しかるべきお願いが今の上司の先生から私にあるべきです。その先生のご提案がwin-winなものであれば、もしかしたら当教室に移籍後も前の続きができるかもしれません。

いずれにせよ、当研究室のポスドク以上の方にはご自身の研究以外に早期から教育に取り組む機会も提供します。当研究室には年間で10名を超えるとても意欲的な (=論文を書きたい) 学生さんたちがさまざまな制度でやってきています (オンライン研究を含む)。学生さんたちとの共同研究 (主に討論や方向性の指導) にもたくさん取り組んでいただくことで、教育歴をつけることができますし、もちろん多くの論文に共著者として名を連ねることにもなるでしょう。