小川 諒 (Ryo Ogawa)
東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 修士課程1年 (MS Candidate, 清水研2期生)
【自己紹介・ひとこと】
私は大学に入学当初、化学に興味があり将来は有機合成を通して医薬品を創出する研究者になりたいと思っていました。しかし、大学でいろいろ勉強をしていき、多方面の教授から「特に低分子医薬品などといった、化合物は出尽くしていてこれから新たに新規化合物を合成するということは難しく、これからの時代は核酸医薬や、AI創薬や主流になっていく」ということを耳にし、ここからAI創薬に興味を持つようになりました。
バイオインフォマティクスと呼ばれる生物学と情報学の融合分野は、両方の知識を習得していくことは大変であると認識していますが、清水研究室での日々を通してこれらの専門知識を習得し、将来的には稀有な人材となれるよう頑張っていきます。
- 新潟県出身、新潟高等学校卒
- 2020-2024 東京理科大学 薬学部生命創薬科学科
- 2024-現在 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 修士課程 在学中
- 量子化学の知見を学習した創薬AIの開発
- 急性骨髄性白血病の統合ネットワーク解析
学部卒業研究:non-coding RNA 配列データ解析のインフォマティクス
- 全国中学校卓球大会団体戦 出場
- 全国高校生金融経済クイズ選手権県大会 3位
- ピアノ(ショパンが好き、時間があるときは街中に置かれたストリートピアノ巡り、大学では100名を超えるピアノサークルの代表)
- 鉄道(いわゆる乗り鉄、発車メロディーが好きな聞き鉄)
- ディズニー(東京ディズニーランドやシーへ行き、なぜゲストが魔法にかけられるのか研究)
大学院最初の3ヶ月で成長できたこと, 2024.07.31掲載
清水研究室に入学して、最初の3か月で成長できたと感じていることについてまとめる。
研究室に入学してからの最初の3か月は、新しい環境に適応し、多くの挑戦と学びを経験した期間であった。入学してすぐに、BDSCの論文紹介の担当が回ってきて、論文を説明する機会があった。この発表は自分が思った以上にうまくいかず、論文を正確に読み込み、その内容をわかりやすく伝える力が圧倒的に不足していることを痛感した。さらに、専門知識の不足により、発表に対する質問に適切な回答をする力が欠けていることを強く感じた。このように、専門知識の不足を補う必要性を痛感しため、最初の3か月で自己成長するための努力を続けた。
この3か月で、解剖学や生理学といった基礎医学、分子細胞生物学や生化学といった生物学、線形代数や微分積分といった数学、プログラミングや機械学習の勉強など、幅広い分野の基礎を徹底的に学んだ。これらの勉強会を経て、GM(各研究グループでの研究進捗会)やJC(論文輪読会)に参加すると、入学当初は全くわからなかったことが少しずつわかるようになり、さらに聞いたことのある知識が増えていくことで理解にかかる時間が徐々に減っていることに気付いた。また、これら研究室のイベントで行われる清水先生からの「教育的質問」、すなわち一度学んだことを違う場面できかれる経験を通して、学んだ知識の点と点を結びつけ、有機的な理解に繋げることができたと感じている。
この3か月で特に印象に残っているのは、5月から行われたBriefing in Bioinformatics誌を用いた論文の査読会で毎週発表を行った経験である。合計8回の発表をしたわけだが、最初は右も左もわからず、苦労の連続であった。しかし、回を重ねるうちに少しずつ論文読解の基礎体力及び発表に関するスキルが身についていったと感じた。さらには、論文をクリティカルに読む力を身につけることの重要性に気付いた。学部時代は論文を「理解する」ことに多く注力していたが、ただ理解するだけではなく、その論文の売りは何か、新規性は何か、弱いところは何かといった「内容を見極め理解する」力を少しずつ養うことができたと感じている。
このように、最初の3か月は人生の中でも一番忙しいといっても過言ではないほど非常に大変で忙しい日々が続いたが、その努力が確実に自己成長に繋がっていると実感している。大学院の授業やレポートと同時並行で研究室の勉強会やイベントに参加するのは並大抵のことではなかったが、この3か月を経たことで問題解決能力や時間管理能力、さらには発表の経験を通したコミュニケーション能力など、多方面でのスキルアップを感じることもできた。今後も、この成長を基盤にし、研究を頑張っていきたいと思う。