製薬/創薬界の研究職を養成する日本一の研究室 (大学院)

アカデミアにせよ製薬企業にせよ、薬に関わる研究職というのは博士号がほぼ必須です。似たような言葉に「開発職」というのもありますが、製薬業界における開発職は臨床治験をデザインしたり医療機関への営業や厚生労働省との調整も含む高度な専門性を持つ企画職・事務職であり、白衣を着て実験をするような一般的にイメージする他の業界での「開発職」とは異なります。製薬企業の例として持田製薬の例を下にお示ししますが、他の製薬会社さんも、研究職と開発職は明確に分かれています。

もし、いわゆる「薬を作る」仕事、つまり研究職につきたいとお考えなのであれば、(普通の人にとって) 修士で大手製薬会社の研究開発職というのは難しい理由にも書いた通り博士号またはそれに準ずる研究業績 (例として就活を始める前までに筆頭著者として英文学術論文を発表したなど) はほぼマストです。

博士論文やその周辺の高度な専門知識や、世界の誰も知らないことに挑戦して結果をまとめ発表するというスキルはまさに創薬研究者に不可欠の要素であり、その質を担保するのが博士号なわけです。ただ博士号はあくまで必要条件です。製薬に限ったことではありませんが、製薬は特に新しい技術が次々に登場しており、一般的な研究室で博士課程で取り組むごく限られた領域の専門性だけでこの先30年40年とやっていける方は皆無でしょう。そして、生命科学や化学を中心にして、例えば物理シミュレーションや、医療に関するドメイン知識、さらに近年ではターゲット分子同定のためのバイオインフォマティクスやAI創薬など、創薬研究者がカバーしなければならない領域は物理・化学・生命科学・医療、そして数理情報科学 (含AI) と多岐にわたります。もちろん、全ての領域の第一人者としての知識を備えている人は存在しませんし、だからこそ異なるバックグランドの方と緊密に連携しチームプレーをするわけですが、それでも自分の博士論文のこと以外は何も分かりませんということだと有機的なcollaborationは難しいのは想像に固くないでしょう。ある限られた領域においては博士論文を書くほどの、つまり世界で一番最初の報告ができるほどの専門性を持ち、かつ他の創薬研究者の話もある程度理解できる程度は他分野へも「のりしろ」があるからこそ、お互いにつながることができるのです。

ここまで書いてきたように、創薬研究者を目指す以上、ある領域の専門性があるのは当然というか必要条件にすぎず、それにプラスして他の領域への土台が不可欠なのです。創薬研究者を目指す多くの方は大学院で最初の訓練を受けるわけですが、所属研究室はあくまでアカデミア目線で特定のテーマの研究およびそれに関連する領域の論文輪読会を行うことが大半でしょう。そのフィールドのアカデミア研究者として一生やっていくというのならそれでいいのですが、特にもし製薬企業に入りたいということですと、少し困ったことになるのではないかと危惧しています。

そこで当研究室においては、医療生命科学 (特に分子細胞生物学) 、それに我々の得意領域であるAIやオミクス解析等のデータサイエンスという、非常に広範な領域を学び創薬業界の研究職としての土台を養いつつ自分の専門領域としての博士論文出版を目指します

当研究室主宰者の清水は、医師であり、博士論文は疾患の分子生物学で取得しており、また情報科学関連の出版も多数あります。基礎的な薬の研究だけでなく、非常勤ですが治験分担医師として数百の臨床治験に携わったこともございますし、米国留学時代も創薬研究をしていましたので日本だけでなく海外事情も理解しています。また、近年は核酸・ペプチド創薬治療研究センター (TIDEセンター) の構成メンバーとして、中分子創薬、中分子のin silicoデザインにも取り組んでいます。このように、製薬業界の研究職として求められる広い専門性を持つ日本で有数の研究者の1人であると自負しております。

当研究室は薬学だけでなく医療・生命科学系の出身者もいれば数理・情報出身者もおり、いろいろなバックグランドの方が混ざっているという点でも創薬現場に近い良い研究環境です。我々が得意にしているのはAI創薬を含むコンピューター創薬ですが、一通りの分子細胞生物学実験ができるような実験室や例えば化合物と標的タンパクの結合定数・解離定数を測定するような専門的な機器なども取り揃えており、希望者にはドライとウェットの両方のプロジェクトに関わっていただくことができます。徹底した教育を行っており、pre-JC2年間もの内部勉強会 (advancedな機械学習を2年間学ぶ勉強会と、生命科学系のThe Cell輪読/論文図表の読み方の輪読/統計科学/アルゴリズム/システム生物/有機化学/生物物理化学/MDシミュレーション/量子化学の創薬応用など広範囲のトピックスを2年間学ぶ勉強会の2種類) などがあります。

さらに、我々の研究室はJR東京駅から電車で10分と東京の中心にあるため、種々の勉強会・研究回にも非常に行きやすい立地にあります。事実、大学院生らも毎年のようにCBI学会に出席し、最新の創薬知見の取得に励んでいます (例えばこちら)。

当研究室は、アカデミア/企業問わず創薬研究者を目指したトップレベルの研究・教育環境が用意されている日本有数の研究室です。卓越した研究遂行能力と創薬研究に必要となる広範囲にわたる専門性を身につけるのは無論容易いことではありませんが、博士号取得後に本気で創薬研究者になりたい方にとって、日本で唯一無二の研究室です。

正直なところ、大学院生が創薬研究者になるために必要なことをここまで網羅的に学べるラボは他にないでしょう。また、経済面では各種給付型奨学金の申請を支援している他、清水研独自の大学院生への経済支援制度も用意しています。さらに、企業からも清水研卒の人をほしいとうメールを多数いただいており、清水研の教育は大きな注目を集めています。

創薬研究者を目指す上では最高の教育・研究環境に飛び込んでみませんか?