ちなみに海外事情として、Harvard Medical Schoolでは大学院で博士号をとるまでの間に全員少なくとも3つのラボを経験することになります。ドイツの名門大学から短期留学で来ていた修士課程の学生も、ドイツでも博士号をとるまで1つのラボしか経験したことがないというのはありえないと言っていました。もし学部から博士までずっと同じラボにいるのが普通だと思っていたら、それは国際的にはかなり異質です。また、指導者の先生も (失礼ながら) 国際的なサイエンスの動向にはかなり疎い方なのでしょう。海外の研究者に知り合いが多ければおのずとそのような話も聞いているはずです。どっちもよくないです。
えっ、今の分野は学部4年で研究を開始して修士卒までの3年では成果が得られない? それならなぜもっと早く研究室に通わせて貰わなかったのですか? 研究者になりたいと強く思っている人は学部のもっと早いころから例えば朝晩や土日など自主的に研究室に通っているものですし、そういうことがないまま今になってしまったのだとしたら今の環境で他の誰よりも負けない努力をしなければならないでしょう。サークル活動などで遊んでいる暇は全くありません。「学部時代と同じ研究室にいくのに修士卒までには何も研究成果がない」のであれば、厳しい言い方ですが自分自身の努力 or 能力不足です。学部4年 + 修士2年で6年も時間があったのに研究成果がないわけですから、ここから博士まで進んでもせいぜい1つの学術論文が出せる程度でしょう。PhDを取るときに論文1本だと、それがトップジャーナルでない限り詰みます。研究だけが人生ではありませんし、他に素晴らしい仕事はたくさんあります。残念ながら日本ではまだまだ博士卒で一般企業に就職するという道が整備されているとは言えないため、選択肢を広げるために修士卒で就職するというルートを本気で考えてください。見切りをつけてアカデミア研究者ではない道に進んだほうがhappyな人生を送れるでしょう。