佐久間 智也 (Tomoya Sakuma)

東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 博士課程2年 (清水研2期生) / TMDU-SPRING

【自己紹介・ひとこと】

数理や情報科学をしっかりと理解した上で、情報科学を用いた生命科学研究を用いて新たな知見を創造できる人になりたいと思い、当研究室に入りました。
4年間を通して、この分野のプロと言えるような人材になるべく、精進していきます。

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在籍期間: 2024.4~
  • 福島県出身、福島県立安積高校卒
  • 2018-2024 北海道大学 薬学部薬学科 (6年制課程、薬剤師免許取得)
  • 2024-現在 東京医科歯科大学 (2024年10月より東京科学大学) 大学院 医歯学総合研究科 博士課程 在学中
  • 2024.6~ TMDU-SPRING生 (2028.3まで)
  • 核酸医薬開発加速化のための実験駆動型機械学習手法の開発
  • システム生物学から迫る心筋症の病態解明

これまでの主要業績 (数編)

  • Sakuma T, Otani Y, Shimizu H. High-Resolution Mapping of the Human E3-Substrate Interactome using Ubicon Uncovers Network Architecture and Cancer VulnerabilitiesbioRxiv 2025
  • Sakuma T, Mukai Y, Yamaguchi A, Suganuma Y, Okamoto K, Furugen A, Narumi K, Ishikawa S, Saito Y, Kobayashi M. Monocarboxylate Transporters 1 and 2 Are Responsible for L-Lactate Uptake in Differentiated Human Neuroblastoma SH-SY5Y Cells. Biol. Pharm. Bull., 2024
  • Yamaguchi A, Mukai Y, Sakuma T et al., Molecular characteristic analysis of single-nucleotide polymorphisms in SLC16A9/hMCT9. Life Sci. 2023
  • Yamaguchi A, Mukai Y, Sakuma T et al., Atorvastatin Exerts More Selective Inhibitory Effects on hMCT2 than on hMCT1 and hMCT4. Anticancer Res. 2023
  • Yamaguchi A, Mukai Y, Sakuma T et al., Monocarboxylate transporter 4 involves in energy metabolism and drug sensitivity in hypoxia. Sci. Rep. 2023
  • Mukai Y, Yamaguchi A, Sakuma T et al., Involvement of SLC16A1/MCT1 and SLC16A3/MCT4 in l-lactate transport in the hepatocellular carcinoma cell line. Biopharm. Drug. Dispos. 2022

これまでの学会発表

  • Sakuma T,  Shimizu H. Development of an AI-driven drug discovery model targeting G-protein-coupled receptors. Pacifichem, 2025
  • 佐久間智也, 清水秀幸. 機械学習によるGPCRを標的とした創薬の高速化. 日本薬学会第145年会, 2025
  • 佐久間智也、麻生啓文、古賀大介、清水秀幸. 核酸医薬開発加速化のための大規模言語モデルを活用した機械学習モデルの開発. 第47回日本分子生物学会年会, 2024 
  • 小川諒、大野聡、佐久間智也、伊東巧、大田航平、清水秀幸. 急性骨髄性白血病の統合ネットワーク解析. 第47回日本分子生物学会年会, 2024
  • 佐久間智也, 向井悠斗, 山口敦史, 石川修平, 古堅彩子, 鳴海克哉, 小林正紀. 分化誘導されたヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞における乳酸輸送担体の同定. 日本薬学会第143年会, 2023
  • 薬剤師免許
  • 日本バイオインフォテォクス技術者認定試験合格(2022年, 日本バイオインフォマティクス学会)
  • TMDU-SPRING生採択 (2024年)
  • Kaggle 銀メダリスト (2024年)

大学院最初の1年で成長できたこと, 2025.05.01掲載

私は、学部時代は薬学部でウェット研究に従事していたが、清水研にてバイオインフォマティクスやAIを使った研究を始めた。異分野への挑戦は不安も大きかったが、この1年間で想像以上の成長と貴重な経験を得ることができた。最初の3ヶ月は基礎知識の習得期間だったが、その後は実践的なプロジェクトに取り組むことができた。特に、GPCRに特化したリガンド予測モデルの開発では、マイプロジェクトとして、自らプロジェクトを立案し、プロジェクトを進める機会を得た。バイオインフォマティクスのスキルは研究室内wikiや豊富な書籍をもとに学び、最初は手こずることもあったPythonやRによる解析も次第にスムーズにできるようになった。機械学習のアルゴリズムについては、研究室独自の教材を用いて学び、実装能力が大幅に向上した。

この1年間の努力の結果として、学会発表2回、論文1報をまとめるという具体的な成果も得ることができた。 清水研の研究環境の素晴らしさは特筆すべきである。各学生にiMacが支給され、必要に応じてMac Studioも利用できる。さらに、TSUBAME 4.0、Wisteria、SHIROKANEといった日本最高性能級のスーパーコンピューターが利用可能であり、大規模な深層学習にも対応できる環境が整っている。また、Science Tokyo SPRING (MD) に採択されたことで、研究に専念できる経済的支援を受けることができた。

各申請書においても、先生方や学生からの丁寧な指導と添削支援があり、書類作成能力も向上した。 定期的なGroup MeetingやProgress Reportにより、自分の研究の進捗を報告し、フィードバックを得る機会が豊富にあった。特に3ヶ月に1回のProgress Reportでは、学会発表形式で進捗報告を行うことで、プレゼンテーション能力が向上した。また、Journal Club (JC)とその準備のためのPre-JCでは、Cell、Nature、Scienceなどの最新論文を読み込み、図の説明を担当することで、論文読解力や批判的思考力が向上した。発表する際には、いかに聴衆に分かりやすく伝えるかを意識することで、プレゼンスキルも大きく向上した。

最後に、清水研に興味のある皆様、清水研はバイオインフォマティクスやAIを使って医学・生命科学の課題に挑む、非常に刺激的な環境です。最先端の研究設備と手厚いサポート体制があり、自分の可能性を最大限に広げることができます。是非、一緒に研究しましょう!

大学院最初の3ヶ月で成長できたこと, 2024.07.31掲載

私は学部時代は自分の特定のテーマに関して焦点を当てて研究を行っていた。一方で、清水研の研究対象は生命医科学と情報科学の融合領域であり、また、ドライのみならずウェット実験も対象としている。こうした領域で研究を行うには幅広い知識が必要である。清水研究室での最初の3ヶ月は、こうした研究を始めるための準備期間として位置づけられており、様々な勉強会を通じて様々な知識を習得する。扱う範囲としては生命医科学の基礎(分子生物学、解剖学など)、基礎数学(微分積分、線形代数など)、ウェット実験の知識、機械学習を含む情報科学などと幅広い。清水先生をはじめとする先生方の経験に基づいた説明は非常にわかりやすく、理解の助けとなった。また、学生自身が説明するスタイルで行われるため、学習効率が非常に高いと感じた。さらに5月からはBriefing in Bioinformatics誌を対象とした論文の抄読会が行われ、毎週発表を行った。この経験を通じて、当該分野における論文読解の基礎体力及び発表に関するスキルがついたと感じた。また、ディスカッションや清水先生のコメントを通じて、当該分野における研究を様々な視点で捉えることができた。また、この抄読会とは別に行われるJournal Clubでは対象の論文がCNSなどから特定の分野に囚われずに選ばれる。初めて扱う分野の論文を精読するのは容易ではないが、そのハードルが低くなったと感じている。
また、この3ヶ月間は様々な申請書を書く機会が多くあった。研究提案という形の書類の作成はこれまで経験してこなかったが、研究室の皆様から多くのアドバイスをいただき、納得のいく書類を作成することができた。入学前と比べて文章作成能力も向上していると感じている。
清水研への入学を希望する方には数学・生命科学などの学部レベルの知識は身についた状態で入学することをおすすめする。何もわからない状態で勉強会の場で説明するとなると事前準備に相当時間がかかる。一方で、今行っている分野や研究への知識も深めることも大事である。その分野に関しては研究室のメンバーからはプロとして捉えられ、助言などを求められることも多いからである。
まとめると、清水研での最初の3ヶ月間で新たな分野で研究を行う上での基盤を築くことができたと感じている。当研究室を進学先として考えている方の参考になればと思う。