中村 尚暉 (NAOKI NAKAMURA, MD)
東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 博士課程1年 (清水研4期生)
【自己紹介・ひとこと】
学部時代は実験系の講座に所属し、
- 神奈川県出身、聖光学院高校卒
- 2018-2024 福島県立医科大学医学部医学科
- 2024-2026 公立藤田総合病院 初期臨床研修医
- 2026-現在 東京科学大学 大学院 医歯学総合研究科 博士課程 在学中
ロングリード技術によるがん特異的な融合遺伝子探索と治療応用
これまでの学会発表 (全7件)
- 中村 尚暉, 伊東 巧, 鈴木 健斗, Ricardo, 比嘉 綱己, 清水 秀幸. 腸管腫瘍におけるシングルセル翻訳プロファイリング法の確立. 第49回分子生物学会年会. 2026, 横浜
- 鈴木 健斗, Ricardo, 伊東 巧, 中村 尚暉, 比嘉 綱己, 清水 秀幸. 単一細胞完全長トランスクリプトームを取得可能な革新的シーケンス技術「Isoform Rhapsody」の創出. 第49回分子生物学会年会. 2026, 横浜
- Ricardo, 鈴木 健斗, 中村 尚暉, 伊東 巧, 比嘉 綱己, 清水 秀幸. 単一細胞ロングリードRNA-seq解析によるCHD8関連自閉症スペクトラム症(ASD)の分子病態基盤解明. 第49回分子生物学会年会. 2026, 横浜
- Kento Suzuki, Ricardo, Naoki Nakamura, Takumi Ito, Tsunaki Higa, Hideyuki Shimizu. Isoform Rhapsody: An Innovative Sequencing Method for Single-Cell Full-Length mRNA Profiling. CBI学会2026年大会, 2026, 船堀
- Ricardo, Kento Suzuki, Naoki Nakamura, Takumi Ito, Tsunaki Higa, Hideyuki Shimizu. Isoform-Level Analysis of Public Transcriptome Data in CHD8-Haploinsufficient Models of Autism Spectrum Disorder. CBI学会2026年大会, 2026, 船堀
- 中村 尚暉, 大田 航平, 伊東 巧, 清水 秀幸. AIが導く腫瘍特異的な抗がん剤併用療法の選択. 2026年日本バイオインフォマティクス学会年会, 2026, 相模原
- 中村 尚暉, 鈴木 修三. 進行性線維化を伴う間質性肺炎(PF-ILD)が先行した ANCA 関連血管炎症候群(AAV)の1例. 第35回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会
学部時代の研究内容
- トリセルラータイトジャンクションにおけるタンパク質相互作用の
解明
- 医師免許 (2024)
- 日本バイオインフォマティクス技術者認定試験合格(2025)
最初の3ヶ月で成長できたこと, 2026.08.01掲載
医学部時代や初期臨床研修での経験から、患者ごとの病態を理解し、個々人に最適な治療へつなげるためには、生命科学・医療の膨大なデータを情報科学の力で解析し、医学的に意味のある知見へと変換する必要があると考えるようになりました。一方で、解析から得られた結果を適切に解釈し、臨床や生命科学上の課題へ結びつけるには、医学・生命科学のドメイン知識が不可欠です。そのため、ドメイン知識を持つ研究者として情報科学を学び、両者を横断する研究に携わりたいと考えました。情報系の研究室でありながらウェット実験設備も整い、生命科学、情報学、化学など多様な専門性を持つ大学院生が集まる清水研は、私が目指す研究を進める上で最適な環境であると考え、志望しました。
入学時は、ウェット実験について一定の経験があった一方で、情報科学や数理科学に関する知識は不足していました。この3か月間は、機械学習、数学、生命科学などの勉強会を通じて、分野横断的な研究に必要な基礎概念や思考法を身につけることに取り組んできました。特に印象に残っているのは、週1回、各自が選んだ論文を紹介する『Briefings in Bioinformatics』誌の輪読会です。当初は、複数のデータやモデルを組み合わせた構造図を見ても、解析全体の流れや各要素の関係を把握するのに時間を要しました。しかし、入力データ、特徴抽出、情報の統合、出力、評価方法を整理して解釈する訓練を繰り返すことで、各要素の役割と論文の主張を支える結果を意識して読めるようになりました。この過程を通じて、モデル構造図を起点に、研究目的に対して解析方法がどのように設計され、どのような結果から結論が導かれているのかを理解する力が養われました。
また、清水研には、専門性を持ち寄り、互いに教え合う文化があります。数理や機械学習の勉強会では他のメンバーから教えていただく一方、臨床医学の勉強会では自分がチューターを担当することもあります。人に説明する際には、相手に伝わるように前提知識から一つ一つ順に組み立てる必要があります。この経験は、相手の視点に立って内容を整理し、分かりやすく伝える訓練にもなっています。清水研で扱うような融合領域の研究では、学会発表などの場面において、相手の知識や関心に応じて説明を工夫する必要があります。日々の勉強会での経験を活かしながら、専門分野の異なる方にも研究の意義を分かりやすく伝える力を養いたいと思います。
研究では、ロングリード技術によるがん特異的な融合遺伝子探索と治療応用というテーマに取り組んでいます。本研究は、従来法では捉えにくい融合転写産物の同定を目指し、ウェット実験で自ら新たなデータを取得し、ドライ解析によって融合遺伝子候補を絞り込むものです。さらに、その生物学的意義や治療応用の可能性を検討した上で、再びウェット実験により検証するという、ウェットとドライを往復する研究です。今後は、大規模データを情報科学的に解析し、そこから得られた結果を生命科学的・臨床的な視点から検証できる、医学と情報科学を橋渡しする研究者を目指します。
清水研には、専門分野の違いを越えて学び、自分の関心を研究へ発展させられる環境があります。私自身も、入学時には情報科学や数理科学の知識が十分ではありませんでしたが、日々学びながら研究に必要な力を身につけてきました。現在の知識や経験で可能性を狭めることなく、興味のあることについては躊躇せずに挑戦してほしいと思います。皆様にお会いできることを楽しみにしています。
