ここでは研究室外にもopenにしている事前勉強会の「入門編」(全5回) を終えた方々の感想を掲載しています。 2022年度開催 事前学習会の「入門編」の意味の1つは広く浅く技術の基本を学ぶことだと思う。現在あるあらゆる分析技術の多くは根っこの部分は同じで何点かの工夫を加えて派生した技術である。この「入門編」では根っこの部分の技術の“考え方”を知ることができる。自分の数学レベル等が十分ではないため扱った手法のすべてを完璧に理解すること現時点ではできないが、それぞれの手法が何を目的としていてその目的に対してどのようなアプローチを取っているかぐらいはわかることができた。教材として使う「本質を捉えたデータ分析のための分析モデル入門」(ソシム社, 杉山聡 著)は基本となる技術を飛ばさずにその派生を含めて紹介してくれる。その行間を埋める作業がこの勉強会におけるもっともエキサイティングな部分であった。また、当教材の豊富な図やイラストは理解を手助けしてくれるだけではなく今後の勉強のハードルを低くしてくれていると感じている。すべての図がオリジナルではなく原著論文から引用されている図を使用しているため、勉強会の外でも使用されている図になっている。「これ見たことある図だ」ということが短い期間で幾度かあった。所見ではちょっと手が出ない複雑で細かい図に対する抵抗が減ったことは間違いない。また、どこにあった図なのか直ぐに戻れるため復習はもちろん更なる知識の増強も期待できる。「見たことがある」を増やす、つまり広く浅く根本を学ぶ。このシリーズの「入門編」は今後の「概論編」「実践編」の学習効率を高めてくれるだろう。 初回の冒頭で「距離にはどんな距離がありますか」と質問された時、久しぶりに全く知らないことを学び始めるのだな、という感覚になったことを今でも強烈に覚えています。医学部の授業ではあまり学ぶ機会がなかった、データとは何か、統計や機械学習、強化学習などの背景となる原理を俯瞰するための勉強会は、これからまさにそれらを使いこなしていくための知識やマインドを構築するための良い機会となりました。自分でcodeを書きながらデータを扱う実践的な勉強会ではないため、実践のためのトレーニングは別に必要ですが、“そもそもデータ分析って何なの?”を学び、自分の頭の中にロードマップを作るための勉強会です。勉強会は1回1時間半、本1冊を5回に分けて読んでいくといった形式です。1回の勉強会で扱う範囲は幅広く、それらを約1-2週間で読みこむことは容易ではありませんが、幸運にも著者はV-tuberとしても活躍されており、要点はYoutubeで学ぶことができます。また現在ネット上ではたくさんの教材が無料で閲覧できるため、それらを活用して予習に励むのも有効です。入門編といっても、その背景にある数学的・情報学的知識がない身からすればかなり読み応えのある本です。勉強会が終わってからが本当の始まりです。実際にデータを扱いながらさらに知識を深めていきたいと思っています。