Metabolic Engineering 15 | June 11-15, 2023 | Marina Bay Sands, Singapore

代謝工学の学会としては最大。参加登録者は 600 名以上。ポスター発表 400 名程度。 口頭発表は 100 名程度。 パラレルセッション等はなく、口頭発表はすべて同じ部屋で行われた。

今回は全体的に発表時間は短め、大御所の先生でも発表時間 10 分の場合もあった。

Plenary talk (30 min), Session (10-15 min), Lightning Session (5 min), Rapid Fire Session (1 min)

講師・大野 聡

全体に対する感想

  • 微生物代謝を使って作り出すものが複雑になっている。
    10 年くらい前ならバイオ燃料 (エタノール・ブタノール)とかプラスチック原料 (乳酸など)。でも、 上記では石油化学との競合になり、なかなか商業化がなかなかうまくいかないのかもしれない。そ して研究者の頑張りよりも政策や規制の影響が大きい。今回は、動植物由来の薬剤・色素・香料など を微生物で生産させる研究が多かった。しかも、1 g/L 以上で結構最終濃度が高い。
  • CO2 fixation
    基本的に生物は吸収した炭素源を参加して CO2 を排出して、そうすると収率 (生産物の量/原料の 量)が下がるので、それを回収する。または、CO2 から直接有用化合物を作る。できた化合物を燃 やしても CO2 になるだけなので再回収が可能 (カーボンニュートラル)
    10 年くらい前は光合成細菌シアノバクテリアの話題も多かったが、光合成が遅すぎるのか、下火に はなっているように感じた。
    とはいえ、実用にはまだ時間がかかりそう。
  • co-culture
    複数の微生物株を同時に培養する。A->B->C という経路を、A->B, B ->C をそれぞれ別の株で行う。 おそらく mono-culture (単一微生物株での培養)でできることはかなりやりつくされている感じがあ る。やりつくした結果、何を対象としても 1/gL は達成できるくらいにはなっている。
  • AIの使われ方としては、複雑な化合物を作り出すときに、その生合成経路の設計に使われている印 象がある。動植物由来の化合物は、化合物としてはわかっていても、その生合成経路がわかってい ないことも多い。ただし、当たり前に使われるレベルではない。適用できれば良いところは多い が、生物種・ターゲット化合物・培養条件などに特有の AI を作る必要があり、データが足りな い。医療と違ってコホート的なデータもない。